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- 他人の幸せの為に行動すると、幸せになれるのか?―利他的行動の幸福度への影響の実験による検証―
2021年03月26日
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■要旨
他人の幸せの為に行動すると、幸せになれるのだろうか。世界各国で、寄付のように他人に利益を与える行動をする人は、幸福度が高い傾向があることが示されている(Aknin et al, 2013)。
しかし、こうした利他的行動をする人は、利他的行動によって幸せになっている可能性もあれば、幸せだから利他的行動をしている可能性もある。そのため、利他的な行動をしている人と利他的な行動をしていない人の幸福度を比較しても、その因果関係を捉えることはできない。
そこで、この因果関係を捉えるために、世界で様々な実験的な研究が行われてきている。そして、これまでの様々な研究では、経済的に豊かと考えられる国でも貧しいと考えられる国でも、さらには、大人でも小さな子どもでも、利他的な行動は幸福度を高めるという因果関係がある可能性が示されてきた。
本稿ではまず、これまで行われてきたこうした利他的行動と幸福の因果関係を示す実験的な研究の結果を紹介する。そしてさらに、ニッセイ基礎研究所が独自に行ったWEB調査を用いた大規模な実験の結果を紹介する。結果を先取りしてお伝えすれば、この実験によって、日本に住む人々の間でも利他的行動は幸福度を高める可能性があることが確認された。
■目次
1――はじめに
2――利他的行動で幸せになれることを実証した実験
1│人のためにお金を使うと幸せになる
2│経済的な貧富に関わらず利他的行動は幸福度を高める
3│子どもも利他的な行動で幸福になる
3――日本での寄付と幸福度の因果関係を捉えた実験
1│調査概要
2│実験の設計
3│実験の結果
4――おわりに
他人の幸せの為に行動すると、幸せになれるのだろうか。世界各国で、寄付のように他人に利益を与える行動をする人は、幸福度が高い傾向があることが示されている(Aknin et al, 2013)。
しかし、こうした利他的行動をする人は、利他的行動によって幸せになっている可能性もあれば、幸せだから利他的行動をしている可能性もある。そのため、利他的な行動をしている人と利他的な行動をしていない人の幸福度を比較しても、その因果関係を捉えることはできない。
そこで、この因果関係を捉えるために、世界で様々な実験的な研究が行われてきている。そして、これまでの様々な研究では、経済的に豊かと考えられる国でも貧しいと考えられる国でも、さらには、大人でも小さな子どもでも、利他的な行動は幸福度を高めるという因果関係がある可能性が示されてきた。
本稿ではまず、これまで行われてきたこうした利他的行動と幸福の因果関係を示す実験的な研究の結果を紹介する。そしてさらに、ニッセイ基礎研究所が独自に行ったWEB調査を用いた大規模な実験の結果を紹介する。結果を先取りしてお伝えすれば、この実験によって、日本に住む人々の間でも利他的行動は幸福度を高める可能性があることが確認された。
■目次
1――はじめに
2――利他的行動で幸せになれることを実証した実験
1│人のためにお金を使うと幸せになる
2│経済的な貧富に関わらず利他的行動は幸福度を高める
3│子どもも利他的な行動で幸福になる
3――日本での寄付と幸福度の因果関係を捉えた実験
1│調査概要
2│実験の設計
3│実験の結果
4――おわりに
(2021年03月26日「基礎研レポート」)
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03-3512-1882
経歴
- 【職歴】
2010年 株式会社 三井住友銀行
2015年 独立行政法人日本学術振興会 特別研究員
2018年 ニッセイ基礎研究所 研究員
2021年7月より現職
【加入団体等】
日本経済学会、行動経済学会、人間の安全保障学会
博士(国際貢献、東京大学)
2022年 東北学院大学非常勤講師
2020年 茨城大学非常勤講師
岩﨑 敬子のレポート
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