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英EU貿易協力協定発効へ-主権回復の見返りはEU市場へのアクセスの悪化-
経済研究部 研究理事 伊藤 さゆり
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- 21年初から英国と欧州連合(EU)の関係は「貿易協力協定」に基づく関係に変わる。
- 英国は関税ゼロと数量規制なしの前例のない条件と主権の奪還を実現する成果を誇り、欧州司法裁判所の関与もEU法順守の義務も負わないことも強調する。競争条件の公平性確保や漁業権でのEUの譲歩は、当初、敢えて高い要求を突きつけたからでもある。
- EU側は、協定による単一市場、関税同盟離脱の不利益の緩和は部分的で、アクセスは悪化する点を強調する。協定の内容は経済的打撃が大きい「ハードな離脱」だ。
- 21年からは移民制度も変わるが、コロナ禍もあり、関心は低下している。19年12月の総選挙で勝利した保守党の支持率はコロナ対応への不満から低下、経済対策の予算はGDP比16%まで膨らみ、ビジネス投資も大きく落ち込んだ。感染拡大が沈静化してもEU市場へのアクセス悪化が重石となり回復が遅れるリスクはある。政府は11月に「緑の産業革命」を掲げたが、グリーン化投資が新たな牽引力となるかが注目される。
- 21年には、日英EPAなどの発効や英国独自のグローバル関税への切り替え、TPP加盟申請などグローバル・ブリテンへの歩みが本格的に始まる。しかし、国際情勢の変化で、期待された米国、中国、インドとの関係強化は英国の思惑通りに展開しそうにない。
- 主権回復のためのEU離脱によって、EU市場への自由なアクセスだけでなく、連合王国の一体性まで手放すことになりかねないことは気掛かりだ。
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