2020年12月25日

膠原(こうげん)病の医療を知ろう-長期に及ぶ薬剤療法をいかに進めるか?

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也

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■要旨

「膠原病」について、どういうイメージを持っているだろうか? 「どういうものかをよく知らないので、何もイメージはわかない」という人が、相当数いるだろう。「家族が関節リウマチを患って、ずっと薬を飲み続けている。関節リウマチは知っているけど、それ以上のことはよくわからない。」という人もいるかもしれない。

本稿では、膠原病の最も基礎的な部分を、概観していくこととする。本稿が、膠原病について、読者の関心を高める一助となれば幸いである。

■目次

はじめに
1――膠原病とは
  1|膠原病が認められたのは、第2次世界大戦後
  2|膠原病は、自己免疫疾患であり、結合組織疾患であり、リウマチ性疾患でもある
  3|膠原病は、遺伝要因と環境要因により発症する、との見方が一般的
  4|膠原病は、難病の要件に当てはまるものが多い
  5|膠原病は、治療が長期に及ぶ
2――膠原病の診断
  1|膠原病は病気の分別診断がカギ
  2|膠原病の診断は、除外診断で進められる
3――膠原病の治療
  1|膠原病の治療は目標を定めて行われる
  2|薬剤療法では、生物学的製剤など、有効性の高い医薬品が導入されている
  3|関節リウマチでは、関節手術が行われることもある
4――膠原病の代表的な病気
  1|膠原病と類縁疾患には100種類以上ある
  2|関節リウマチ(RA)は、早期発見、治療開始により、手指等の関節の変形を抑えられる
   ようになった
  3|全身性エリテマトーデス(SLE)は、光線過敏症を生じることがある
  4|多発性筋炎(PM)や皮膚筋炎(DM)では、筋肉痛で重いものの持ち上げに支障が生じる
   こともある
  5|全身性強皮症(SSc)は、皮膚の症状が浮腫期、硬化期、委縮期の3つに分けられる
  6|混合性結合組織病(MCTD)は、SLE、PM、SScの症状を併せ持つ。
  7|シェーグレン症候群(SS)は、ドライアイとドライマウスが特徴的
  8|結節性多発動脈炎(PN)では、ステロイド・パルス療法が行われることもある
  9|ベーチェット病(BD)は、口腔内、皮膚、外陰部、眼に症状が出やすい
5――膠原病の外来診療
  1|検査、問診、診察の結果を総合的にみて診断される
  2|患者は医師の指示通りの服薬と感染症対策が不可欠
6――指定難病と医療費助成
  1|指定難病には、稀少性など6つの条件がある
  2|指定難病には医療費助成が行われる
7――家族による患者のサポート
  1|膠原病の患者はさまざまな精神的な苦しみを負う
  2|膠原病の患者は朝がつらい
  3|患者の外来診療に付き添うことで理解が深まる
8――おわりに (私見)
【参考文献・資料】
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保険研究部   主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員

篠原 拓也 (しのはら たくや)

研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴
  • 【職歴】
     1992年 日本生命保険相互会社入社
     2014年 ニッセイ基礎研究所へ

    【加入団体等】
     ・日本アクチュアリー会 正会員

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