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オフィス市場は調整局面入り。REIT市場は価格の戻りが鈍い。-不動産クォータリー・レビュー2020年第3四半期
金融研究部 主任研究員 吉田 資
これまで上昇基調にあった東京23区のマンション賃料は転換期を迎えている。三井住友トラスト基礎研究所・アットホームによると、2020年第2四半期は前期比でシングルタイプが▲1.33%、コンパクトタイプが+0.15%、ファミリータイプが▲0.37%となった(図表-11)。シングルタイプは2016年第3四半期以来、ファミリータイプは2019年第2四半期以来の前期比マイナスとなった。緊急事態宣言やリモート授業・リモートワークの普及を受け、学生や転勤者等の移動(引越)が延期され、賃貸マンションの需要がやや弱含んだ。また、LMCによると、都心5区の平均募集賃料(9月末)は高値圏にあるなか、前月比では全ての区で下落となった。
商業セクターは、引き続きテナントの業態により、好不調の差がみられる。商業動態統計などによると、2020年7-9月の小売販売額(既存店、前年同期比)は百貨店が▲23.9%、コンビニエンスストアが▲5.4%、スーパーが+0.7%となった(図表-12)。百貨店は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛や悪天候の影響を受けて、12カ月連続で前年同月を下回った。コンビニエンスストアも、オフィス街を中心に都心部の来店客数が減少しており、7カ月連続で前年同月を下回った。一方、スーパーは、昨年9月の消費増税の駆け込み需要の反動で9月の販売額が前年比マイナスになったものの、住宅地を中心に日用品需要や巣ごもり消費が引き続き堅調であった。
主要都市に路面店舗を出店しているリテーラーを対象としたアンケート調査4では、リテーラーの約9割が売上減少などに伴い既存店舗の賃料減額をオーナーに要請したと回答した。また、シービーアールイー(CBRE)によると、リテーラーの出店ニーズの減少に伴い、ハイストリートの空室率(2020年第3四半期)は、「銀座」が2.6%(前期比+0.9%)、「心斎橋」が5.0%(前期比+3.7%)、「栄」が3.2%(前期比+3.2%)となり、前期から上昇した。
4 CBRE「ジャパン特別レポート COVID-19:リテールマーケットへの 影響とアウトルック 2020年8月」
4. J -REIT(不動産投信)市場・不動産投資市場
5 日本経済新聞・電子版「不動産ファンド、日本で1兆円投資 企業売却受け皿に」2020年10月12日
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(2020年11月10日「不動産投資レポート」)
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