- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融政策 >
- 日銀短観(9月調査)予測~大企業製造業の業況判断D.I.は8ポイント上昇の▲26と予想、回復の遅れが目立つ結果に
2020年09月14日
■要旨
- 9月短観では、内外での経済活動再開を受けて、景況感の底入れが確認されると予想する。大企業製造業では、中国をはじめとする海外経済の回復に伴う輸出の持ち直しや、国内での経済活動再開等に伴う需要回復を受けて景況感が底入れするだろう。非製造業でも国内経済の再開に加え、特別定額給付金などの経済対策の効果も一定程度あって景況感が持ち直しに転じると見込まれる。ただし、新型コロナの感染再拡大がサービス消費に対する逆風となったことで、改善幅は製造業を下回ると見ている。それぞれのD.I.の水準は依然としてコロナ拡大前を大幅に下回ることから、回復の鈍さが目立つ結果にもなるだろう。
- 先行きの景況感も総じて持ち直しが示されると予想。政府が経済活動と感染抑制の両立を図っていることから、今後もイベント等の制限緩和や経済対策による景気の回復が見込まれるためだ。ただし、内外での感染拡大に対する警戒が続くうえ、米中の対立激化など海外経済を巡る下振れリスクも燻っていることから、改善幅は限定的に留まるだろう。
- 2020年度の設備投資計画(全産業)は前年度比2.5%減に下方修正されると予想。例年、9月調査では上方修正される傾向が強いものの、新型コロナの感染拡大に伴って収益が大幅に悪化したうえ、事業環境の先行き不透明感も強い。企業の間で設備投資の撤回や見合わせ・先送りの動きが広がり、前回調査に続いて異例の下方修正になると予想している。
- 今回の短観は、内外で経済活動の再開が進んだことによって、企業の景況感がどの程度回復したかを計る材料に位置付けられるため、まずは足元・先行きにかけての回復ペースが注目される。また、実体経済への影響という面では設備投資計画の重要性が高い。収益が大幅に悪化し、先行きのV字回復も見込みづらいなかで、どこまで設備投資意欲が維持されているのかが日本経済の今後の回復ペースを占ううえでの注目ポイントになる。
■目次
9月短観予測:景況感は底打ちするも回復鈍く、設備投資計画は下方修正へ
・経済活動再開により景況感は底打ち
・設備投資計画は異例の下方修正へ
・注目ポイント:経済活動再開の影響、設備投資への下押し圧力
・日銀金融政策への影響
9月短観予測:景況感は底打ちするも回復鈍く、設備投資計画は下方修正へ
・経済活動再開により景況感は底打ち
・設備投資計画は異例の下方修正へ
・注目ポイント:経済活動再開の影響、設備投資への下押し圧力
・日銀金融政策への影響
(2020年09月14日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/12/11 | 貸出・マネタリー統計(24年11月)~企業の定期預金シフトが顕著に、個人の動きはまだ鈍い | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2024/12/10 | 2025年はどんな年? 金融市場のテーマと展望 | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2024/12/05 | 日銀短観(12月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは2ポイント低下の11と予想、日銀の利上げ判断を補強するか | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2024/11/20 | トランプ再選後の円相場、揺らぐ円高シナリオ~マーケット・カルテ12月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年12月12日
ロシアの物価状況(24年11月)-足もとのインフレ圧力はかなり強い -
2024年12月12日
Metaに対する欧州競争法違反による制裁金賦課決定-欧州委員会決定とMetaの反論 -
2024年12月11日
貸出・マネタリー統計(24年11月)~企業の定期預金シフトが顕著に、個人の動きはまだ鈍い -
2024年12月11日
Investors Trading Trends in Japanese Stock Market:An Analysis for November 2024 -
2024年12月11日
ノンメディカルな卵子凍結-東京都では計4千5百人が卵子凍結を実施済、現在パートナーがいない健康な30歳~40歳代が将来に備える傾向-
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【日銀短観(9月調査)予測~大企業製造業の業況判断D.I.は8ポイント上昇の▲26と予想、回復の遅れが目立つ結果に】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
日銀短観(9月調査)予測~大企業製造業の業況判断D.I.は8ポイント上昇の▲26と予想、回復の遅れが目立つ結果にのレポート Topへ