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2020年09月08日
2019年度生命保険会社決算の概要-外貨建保険と外貨建資産にいつまで頼れるか
基礎研REPORT(冊子版)9月号[vol.282]
03-3512-1833
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1―保険業績(全社)
「平均予定利率」は、過去に契約した高予定利率の契約が減少することにより、毎年緩やかな低下を続けている。現在の新規契約の予定利率は、1%未満であるものが主流であることから、そこに向けて、これまでより緩やかにではあるが、今後も低下傾向は続くだろう。
一方、「基礎利回り」は、わずかながら低下した。主要な構成要素である利息配当金収入自体は多くの会社で増加してはいるが、運用資産の中で中心となる国内債券に関して、超低水準の金利が続いており(保有債券の年限などにもよるが、)利回りの方は低下傾向にあると思われる。今後も利息収入に徐々に悪影響をもたらすことになるだろう。そうした状況に対し、近年、外貨建債券などへのシフトが進んでいることと、国内大手社においては株式の保有も比較的多いことから株式配当の増加もあり、債券の利回り低下を補っているものと考えられる。
基礎利益の動向は、危険差益や費差益では大幅な好転が見込めない中、利差益の動向に大きく依存しているのが現状だが、経済環境に大きく左右されることもあり、将来にむけて決して楽観はできない。
一方、「基礎利回り」は、わずかながら低下した。主要な構成要素である利息配当金収入自体は多くの会社で増加してはいるが、運用資産の中で中心となる国内債券に関して、超低水準の金利が続いており(保有債券の年限などにもよるが、)利回りの方は低下傾向にあると思われる。今後も利息収入に徐々に悪影響をもたらすことになるだろう。そうした状況に対し、近年、外貨建債券などへのシフトが進んでいることと、国内大手社においては株式の保有も比較的多いことから株式配当の増加もあり、債券の利回り低下を補っているものと考えられる。
基礎利益の動向は、危険差益や費差益では大幅な好転が見込めない中、利差益の動向に大きく依存しているのが現状だが、経済環境に大きく左右されることもあり、将来にむけて決して楽観はできない。
2019年度は、「実質的な利益」の69%が内部留保に、残り31%が契約者への配当にまわっているとみることができ、引き続き内部留保の充実により重点がおかれていて、この傾向は近年比較的安定している。
9社中4社が、危険差益関係で増配した。一方利差益関係では2社が減配しており、運用環境の先行きに不安があることを反映している。
9社中4社が、危険差益関係で増配した。一方利差益関係では2社が減配しており、運用環境の先行きに不安があることを反映している。
2019年度は、その他有価証券の含み益は減少し、オンバランス自己資本(貸借対照表の資本、危険準備金、価格変動準備金などの合計)が引き続き増加した。また、外貨建資産の増加にも関わらず、資産運用リスクが減少した(国内株式の時価下落によるリスク対象資産額の減少、外貨建保険対応資産の増加で実質的には為替リスクが増えていないことによるものと推測される。)ことでリスク総額も減少している。
4―トピックス
1|外貨建保険と外貨建資産
国内の超低金利状況下で、比較的利回りの高い外貨建資産への投資が近年増加してきた。ただし、それでは保険会社が為替変動リスクを大きくとることになることもあり、それを抑えつつ、顧客が直接高い海外金利を享受できる外貨建保険の販売が増加してきた。
しかし2019年度には、海外金利も低下して、外貨建保険の貯蓄の魅力が薄れた。この状況が今後も続くと販売業績面・資産運用面ともに苦しい状況になる。
今後どこまで外貨建保険への注力が続くのか、あるいは一時の傾向にすぎなかったということになるのか、興味深いところではある。もちろん「経済状況に応じて機動的に」となるだろうが、資産運用面ではそれが当然としても、保険販売面でも機動的に運営できるだろうか。
国内の超低金利状況下で、比較的利回りの高い外貨建資産への投資が近年増加してきた。ただし、それでは保険会社が為替変動リスクを大きくとることになることもあり、それを抑えつつ、顧客が直接高い海外金利を享受できる外貨建保険の販売が増加してきた。
しかし2019年度には、海外金利も低下して、外貨建保険の貯蓄の魅力が薄れた。この状況が今後も続くと販売業績面・資産運用面ともに苦しい状況になる。
今後どこまで外貨建保険への注力が続くのか、あるいは一時の傾向にすぎなかったということになるのか、興味深いところではある。もちろん「経済状況に応じて機動的に」となるだろうが、資産運用面ではそれが当然としても、保険販売面でも機動的に運営できるだろうか。
2|新型コロナ、感染拡大の影響
新型コロナウィルス感染拡大の影響は、2019年度はまだ株価の下落程度しか表にでてはいない。今後、直接収支上に影響を及ぼすと考えられる状況としては、・新型コロナによる死亡等に対し「災害割増」保険金を支払うこと・新型コロナによる入院に加え、臨時施設への宿泊、自宅療養に対しても入院給付金を支払うことなどがある。ただし現時点での感染者数や死亡者数をみる限りにおいては、こうした保険金・給付金支払の増加そのものが収支に与える影響は限定的と思われる。
それよりも、販売活動の制限や景気の悪化に伴う新規契約の減少は、既に2020年4月以降、大きな影響をもたらし始めており、収支上も長期的に大きな痛手となることが懸念される。また経済状況の悪化による資産運用収支の悪化も懸念される。さらに長期的には、死亡率あるいは疾病発生率全体の変動など何らかの悪影響(例えば、平均寿命などへの長期的な影響による保険料率のアップ)なども考えられるが、統計上これらが判明するまでには、しばらく時間がかかるだろう。
新型コロナウィルス感染拡大の影響は、2019年度はまだ株価の下落程度しか表にでてはいない。今後、直接収支上に影響を及ぼすと考えられる状況としては、・新型コロナによる死亡等に対し「災害割増」保険金を支払うこと・新型コロナによる入院に加え、臨時施設への宿泊、自宅療養に対しても入院給付金を支払うことなどがある。ただし現時点での感染者数や死亡者数をみる限りにおいては、こうした保険金・給付金支払の増加そのものが収支に与える影響は限定的と思われる。
それよりも、販売活動の制限や景気の悪化に伴う新規契約の減少は、既に2020年4月以降、大きな影響をもたらし始めており、収支上も長期的に大きな痛手となることが懸念される。また経済状況の悪化による資産運用収支の悪化も懸念される。さらに長期的には、死亡率あるいは疾病発生率全体の変動など何らかの悪影響(例えば、平均寿命などへの長期的な影響による保険料率のアップ)なども考えられるが、統計上これらが判明するまでには、しばらく時間がかかるだろう。
(2020年09月08日「基礎研マンスリー」)
03-3512-1833
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![[図表1]主要業績(2019年度)](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/65340_ext_15_0.jpg?v=1599195078)
![[図表2]新契約年換算保険料(2019年度)](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/65340_ext_15_1.jpg?v=1599195079)
![[図表3]資産運用環境](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/65340_ext_15_2.jpg?v=1599196544)
![[図表4]有価証券含み益(大手中堅9社計)](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/65340_ext_15_3.jpg?v=1599196546)
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