2020年07月13日

「GAFAの次に来るもの」と「ポストデジタル資本主義」

立教大学ビジネススクール 大学院ビジネスデザイン研究科 教授 田中 道昭

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■要旨
 
  1. 「コロナショックはどのように世界を変えてしまうのか」という問題意識に対して、筆者が考える方向性の一つは、コロナショック以前から顕在化し始めていた本質的な変化がそのスピードを加速度的に高め、ポストコロナにおいて大きな潮流になる、ということである。その本質的な変化とは、「GAFAの次に来るもの」と交差してくるのではないかと考えられる。
     
  2. 「GAFAの次に来るもの」を模索するに当たって重要となる10の論点は、日本政府が進めている未来社会のコンセプト「Society 5.0」を強化し、新たな日本の活路としていくためにも重要である。「GAFAの次に来るもの」を考えることは、来るべきSociety5・0をさらに進化させることであり、またデータを巡る戦いでもプライバシー重視の動きにおいても「周回遅れ」を余儀なくされている日本の活路にもつながってくる。
     
  3. 「Society 5.0」で最も重要なことは、人間中心主義である。そして、人間中心主義こそが、「GAFAの次に来るもの」、また「ポストデジタル資本主義」の行方を示すものである。さまざまなテーマに対してポストコロナでの重要な方向性が打ち出されることになるが、筆者は、そこで多くの人達が真剣に考え、見出していくことになる尊い答えは、真に人間中心主義的なものであってほしいと切望する。
     
  4. 以上のように本稿では、「GAFAの次に来るもの」と「ポストデジタル資本主義」について考察していく。

■目次

1――ポストコロナにおける大きな潮流は「GAFAの次に来るもの」の模索
2――「GAFAの次に来るもの」10の論点と「Society 5.0」
  1│「中央集権型社会」から「分散フラット型社会」への転換
  2│「株主偏重主義」から「ステークホルダー主義」への転換
  3│「大胆なビジョン」から「社会に求められている目的」への転換
  4│真の社員価値重視社会の到来
  5│プロダクトセントリックからカスタマーセントリックへの転換
  6│「メディアになること」が求められる組織と人
  7│アンビエントコンピューティングの実現
  8│ホリスティックが求められ、それが可能となる時代の到来
  9│「会社の芯からSDGsに対峙する」時代の到来
  10│「データの時代」と「プライバシーの時代」の両立
3――人間中心主義としての「ポストデジタル資本主義」
4――もしもSociety 5.0の人間中心主義を定義するなら
5――「DAY1」の精神
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立教大学ビジネススクール 大学院ビジネスデザイン研究科 教授

田中 道昭

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