2019年09月02日

デジタルトランスフォーメーションで変貌する海外金融機関と2025年の次世代金融シナリオ

立教大学ビジネススクール 大学院ビジネスデザイン研究科 教授   田中 道昭

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■要旨
  1. デジタルトランスフォーメーションには「ミッション」「ビジョン」「バリュー」「戦略」、さらには企業DNAまでも、すべての刷新が必要とされる。その目的は、優れたカスタマーエクスペリエンスを提供し、その結果として「顧客との継続的で良好な関係性」を築くことである。
     
  2. シンガポールのDBS銀行は、デジタルトランスフォーメーションに際して、「会社の芯までデジタルに」「自らをカスタマージャーニーへ組み入れる」「従業員2万2000人をスタートアップに変革する」という三つの標語を掲げた。DBS銀行にとってのデジタルトランスフォーメーションとは、バックエンド、フロントエンド、人・企業文化の三位一体の変革・刷新である。
     
  3. 米国では、新たなフィンテック企業が新たな価値やサービスを生み出している中、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスや代表される有力な既存金融機関がデジタルトランスフォーメーションを進めながら、金融の周辺領域で生まれるフィンテックを垂直統合し発展していく可能性が高い。
     
  4. 欧州では、オランダING、英国バークレイズ、スペインBBVAといった有力な金融機関に加え、2009年設立のドイツのデジタルバンク「Fidor Bank」などがBaaSを通してオープンバンキングを推進し、「顧客との継続的で良好な関係性」の構築を狙っている。
     
  5. 次世代金融シナリオの策定に際して、顧客が法人か個人かの分類、顧客に商品・サービスを提供するプレイヤーの「サービス提供者」と「顧客接点」の分類、プレイヤーがテクノロジー志向か関係性志向か、プラットフォーム志向か否かという分類は重要な基軸となる。金融機関はどれに注力すべきかという選択を迫られ、今こそ「選択と集中」が求められる。

■目次

1――なぜ今、金融のデジタルトランスフォーメーションが求められるのか?
  1│テクノロジー企業が金融業界へ参入
  2│DXは戦略だけでなく企業DNAをも刷新
  3│なぜ今、DXが求められるのか
  4│アジア、米国、欧州における既存金融機関のDX
2――DBS銀行の「自らを破壊する」デジタルトランスフォーメーション
  1│「世界一のデジタルバンク」DBS銀行
  2│「金融ディスラプターと戦うベストな方法は、彼らに先んじて自らを破壊すること」
  3│DXに際して掲げた三つの標語
  4│DXでDBS銀行が実行したこと
  5│「もしジェフ・ベゾスが銀行業をやるとすれば、何をする?」
3――JPモルガン・チェースとゴールドマン・サックスと決断
  1│大手金融機関がフィンテック領域へ
  2│「Silicon Valley is coming.」
  3│顧客の「日常生活」そのものをデジタル化
  4│「500人から3人へ」、AI化で中核業務を大改革
  5│一般個人向けデジタル銀行「マーカス」の衝撃
  6│「ゴールドマン・サックス×アップル」によるクレジット事業が意味するもの
4――欧州金融機関とフィンテックの連携:INGの取組み事例
  1│欧州金融を変えるPSD2、GDPR
  2│BaaSでつくるオープンバンキング
  3│INGが目指すカスタマーエクスペリエンス
  4│戦略の中核は「ING×ネオバンク」
5――2025年の次世代金融シナリオ
  1│バーゼル銀行監督委員会が示した5つの近未来シナリオ
  2│デジタル化によって改善された銀行(「Better Bank」)による支配
  3│新たな銀行(「New Bank」)による支配
  4│既存銀行とフィンテック企業との分業(「Distributed Bank」)
  5│既存銀行の格下げシナリオ(「Relegated Bank」)
  6│銀行が破壊されるシナリオ(「Disintermediated Bank」)
  7│2025年の次世代金融シナリオ
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立教大学ビジネススクール 大学院ビジネスデザイン研究科 教授

田中 道昭

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