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- Jリート市場が示唆する今後の不動産価格の行方
2020年05月08日
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新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は金融市場を大きく揺さぶり、Jリート(不動産投資信託)市場にも多大な影響が及んでいる。市場全体の値動きを表わす東証REIT指数(配当除き)は2,000ポイント台から一時1,145ポイントまで急落し、直近高値から安値までの下落率は▲49%に達した(3/19時点)。その後は反発に転じたものの3月の下落率(▲21%)は月間として過去2番目の大きさとなった。
今回の急落要因としては、(1)あらゆるリスク性資産を売却し現金化を急ぐ「需給要因」、(2)日増しに悪化するパンデミックへの不安感といった「心理要因」のほか、(3)将来の不動産価格の下落を見据えた「ファンダメンタルズ要因」が挙げられる。
このうち、「ファンダメンタルズ要因」についてみると、J リート市場は不動産ファンダメンタルズの変動に対して先行して動く特性がある(図表1)。例えば、前回の「不動産ミニバブル期」では、2008年1月に東証REIT 指数(赤線)が保有不動産の評価額をベースに算出した解散価値(NAV:Net Asset Value、黒線)を上から下へ突き抜けて以降、P/NAV 倍率(市場時価総額÷NAV)は長らく1倍を下回って推移した(市場時価総額<NAV)。これに対して、保有不動産の価格指数(ARES Japan Property Index、青線)は2008年3月にピークを付け、その後5年間で▲22%下落している。
それでは、今回の市場下落が保有不動産の価格下落をどの程度織り込んでいるのか、確かめたい。
今回の急落要因としては、(1)あらゆるリスク性資産を売却し現金化を急ぐ「需給要因」、(2)日増しに悪化するパンデミックへの不安感といった「心理要因」のほか、(3)将来の不動産価格の下落を見据えた「ファンダメンタルズ要因」が挙げられる。
このうち、「ファンダメンタルズ要因」についてみると、J リート市場は不動産ファンダメンタルズの変動に対して先行して動く特性がある(図表1)。例えば、前回の「不動産ミニバブル期」では、2008年1月に東証REIT 指数(赤線)が保有不動産の評価額をベースに算出した解散価値(NAV:Net Asset Value、黒線)を上から下へ突き抜けて以降、P/NAV 倍率(市場時価総額÷NAV)は長らく1倍を下回って推移した(市場時価総額<NAV)。これに対して、保有不動産の価格指数(ARES Japan Property Index、青線)は2008年3月にピークを付け、その後5年間で▲22%下落している。
それでは、今回の市場下落が保有不動産の価格下落をどの程度織り込んでいるのか、確かめたい。
次に、J リート各社の開示データ(2019 年7-12月期)によると、市場全体の保有不動産額は21.7兆円、NAV は13.7兆円、負債比率は41%となっている。図表3は、この数値をもとに計算したP/NAV 倍率と不動産価格の騰落率を表わしている。これによると、今回の安値時点(3/19)におけるP/NAV 倍率は0.63倍で、今後の不動産価格▲23%下落を反映している。また、3月末時点におけるP/NAV 倍率は0.87 倍で、今後の不動産価格▲8%下落を反映している。
こうしてみると、J リート市場は前回の不動産ミニバブル期後と同程度の価格下落を一旦織り込んだと言える。いずれにしても、今後の不動産市場は、コロナ禍の終息時期や各国の政策対応によるところが大きい。この危機を克服すべく、各国の足並みを揃えた国際協調を願いたい。
こうしてみると、J リート市場は前回の不動産ミニバブル期後と同程度の価格下落を一旦織り込んだと言える。いずれにしても、今後の不動産市場は、コロナ禍の終息時期や各国の政策対応によるところが大きい。この危機を克服すべく、各国の足並みを揃えた国際協調を願いたい。
(2020年05月08日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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経歴
- 【職歴】
1993年 日本生命保険相互会社入社
2005年 ニッセイ基礎研究所
2019年4月より現職
【加入団体等】
・一般社団法人不動産証券化協会認定マスター
・日本証券アナリスト協会検定会員
岩佐 浩人のレポート
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