- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 暮らし >
- 消費者行動 >
- 女性の生活満足度を高める要因は何か?-経済的な豊かさより時間のゆとり、20~30歳代は結婚も
2020年02月10日
■要旨
■目次
1――はじめに~政策立案への指標化が進む満足度、個人の生活における決定要因は何か?
2――女性の生活満足度への個人的要因の影響
~収入や家族、住まい方、時間のゆとり等の影響は?
1|収入や資産の影響~生活満足度とおおむね比例関係
2|家族の影響~結婚・出産期に高まり、子どもの思春期頃や親の介護期に低下、老後に
向けて再び上昇
3|住まい方の影響~実家と程よい距離を保ち、社宅やマンション住まいの女性で生活
満足度は高い
4|その他の影響~時間のゆとりや体力があるほど、開放性の高い性格で生活満足度は高い
3――女性の生活満足度の決定要因
~経済的な豊かさより時間のゆとり、若い女性は結婚の影響も
1|女性全体の結果~生活満足度を高めるのは、(1)時間のゆとり、(2)経済的豊かさ、
(3)結婚
2|年代別の結果~若い年代ほど結婚、年齢とともに時間や経済的な豊かさが生活
満足度を高める
4――おわりに
~今がどんな時期なのかを意識しつつ、心身の健康を土台に時間のゆとりを持った生活を
- 女性の生活満足度は、収入や資産は多い方が、未婚より既婚で、子どもはいる方が、実家や義理の実家と程良い距離を保った方が、時間のゆとりや体力はある方が、開放性(進歩的な・多才の)の高い性格ほど高まる。また、結婚や出産期に高まり、子どもの思春期(反抗期)頃や親の介護時期は下がるが、老後に再び上昇する流れもある。
- 重回帰分析を用いて、何の影響が大きいのかを見たところ、25~59歳の女性全体では、、(1)時間のゆとり、(2)経済的豊かさ、(3)結婚していること、(4)安定した心、(5)体力の順であった。経済的な豊かさより時間のゆとりの影響の方が大きく、両者に相関はない。
- 年代別に見ると、若い女性では結婚と時間のゆとりが二大要因であったが、年齢とともに、経済的豊かさや安定した心、体力の影響が上回るようになる。これは未既婚によらず同様である。
- 年齢とともにライフコースを変えることは難しくなるが、何が生活満足度の決定要因となっているのかを意識する、あるいは、生活満足度が高まりやすい時期なのか、そうでないのかなどを自覚するだけでも、日々の生活に対して折り合いをつけて、前向きな姿勢を持つことにつながるのではないだろうか。
- 体力や安定した心の影響は、年齢とともに相対的に大きくなるが、年齢によらず、一定の影響を与え続ける要因でもある。心身の健康を土台に、時間のゆとりを心がけた生活をすることで、確実に生活満足度は高まる。
■目次
1――はじめに~政策立案への指標化が進む満足度、個人の生活における決定要因は何か?
2――女性の生活満足度への個人的要因の影響
~収入や家族、住まい方、時間のゆとり等の影響は?
1|収入や資産の影響~生活満足度とおおむね比例関係
2|家族の影響~結婚・出産期に高まり、子どもの思春期頃や親の介護期に低下、老後に
向けて再び上昇
3|住まい方の影響~実家と程よい距離を保ち、社宅やマンション住まいの女性で生活
満足度は高い
4|その他の影響~時間のゆとりや体力があるほど、開放性の高い性格で生活満足度は高い
3――女性の生活満足度の決定要因
~経済的な豊かさより時間のゆとり、若い女性は結婚の影響も
1|女性全体の結果~生活満足度を高めるのは、(1)時間のゆとり、(2)経済的豊かさ、
(3)結婚
2|年代別の結果~若い年代ほど結婚、年齢とともに時間や経済的な豊かさが生活
満足度を高める
4――おわりに
~今がどんな時期なのかを意識しつつ、心身の健康を土台に時間のゆとりを持った生活を
(2020年02月10日「基礎研レポート」)
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1878
経歴
- プロフィール
【職歴】
2001年 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ入社
2007年 独立行政法人日本学術振興会特別研究員(統計科学)採用
2010年 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門
2021年7月より現職
・神奈川県「神奈川なでしこブランドアドバイザリー委員会」委員(2013年~2019年)
・内閣府「統計委員会」専門委員(2013年~2015年)
・総務省「速報性のある包括的な消費関連指標の在り方に関する研究会」委員(2016~2017年)
・東京都「東京都監理団体経営目標評価制度に係る評価委員会」委員(2017年~2021年)
・東京都「東京都立図書館協議会」委員(2019年~2023年)
・総務省「統計委員会」臨時委員(2019年~2023年)
・経済産業省「産業構造審議会」臨時委員(2022年~)
・総務省「統計委員会」委員(2023年~)
【加入団体等】
日本マーケティング・サイエンス学会、日本消費者行動研究学会、
生命保険経営学会、日本行動計量学会、Psychometric Society
久我 尚子のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/09/10 | Z世代の消費志向とサステナブル意識-経済・社会的背景から見た4つの特徴 | 久我 尚子 | 研究員の眼 |
2024/08/30 | 子育て世帯の定額減税に対する意識-控除額の多い多子世帯で認知度高、使途は生活費の補填、貯蓄 | 久我 尚子 | 基礎研レポート |
2024/08/21 | 訪日外国人消費の動向(2024年4-6月期)-円安効果で四半期で初の2兆円超え、2024年は8兆円台が視野に | 久我 尚子 | 基礎研レポート |
2024/08/15 | 男性の育休取得の現状(2023年度)-過去最高の30.1%へ、中小や非正規雇用が多い産業でも上昇 | 久我 尚子 | 基礎研レポート |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年09月17日
今週のレポート・コラムまとめ【9/10-9/13発行分】 -
2024年09月13日
ECB政策理事会-予想通り利下げ、今後は引き続きデータ次第 -
2024年09月13日
自動車保険料率の引き上げに向けた動き-自動車保険と傷害保険の参考純率の改定 -
2024年09月13日
インド消費者物価(24年8月)~8月のCPI上昇率は小幅上昇も2ヵ月連続で物価目標を下回る -
2024年09月12日
外国株式ファンドが一時、売却超過に~2024年8月の投信動向~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
【女性の生活満足度を高める要因は何か?-経済的な豊かさより時間のゆとり、20~30歳代は結婚も】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
女性の生活満足度を高める要因は何か?-経済的な豊かさより時間のゆとり、20~30歳代は結婚ものレポート Topへ