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- 【19年4-6月期米GDP】前期比年率+2.1%、前期の反動で在庫投資、外需が成長を押下げ
2019年07月29日
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1.結果の概要:成長率は前期を下回ったものの、市場予想は上回る
4-6月期の成長率を需要項目別にみると、個人消費が前期比年率+4.3%(前期:+1.1%)と前期から伸びが大幅に加速し、17年10-12月期(同+4.6%)以来の高水準となった(図表2)。また、政府支出も+5.0%(前期:+2.9%)と前期から伸びが加速した。
一方、民間設備投資が▲0.6%(前期:+4.4%)と16年1-3月期以来のマイナスに転じた。また、住宅投資も▲1.5%(前期:▲1.0%)と6期連続のマイナス成長となった。
さらに、当期は前期に成長を大幅に押上げた在庫投資の成長率寄与度が▲0.86%ポイント(前期:+0.53%ポイント)となったほか、外需も同▲0.65%ポイント(前期:+0.73%ポイント)といずれも前期の反動もあって成長率を大幅に引き下げた。
当期は、予想通り在庫投資や外需の成長率押下げによって前期から成長率が低下した。一方、民間設備投資の不振は懸念されるものの、個人消費が前期の低調な伸びから回復しており、米経済は個人消費主導で底堅い成長が持続していることを確認できる結果と言えよう。
1 以降、本稿では特に断りの無い限り季節調整済の実質値を指すこととする。
一方、民間設備投資が▲0.6%(前期:+4.4%)と16年1-3月期以来のマイナスに転じた。また、住宅投資も▲1.5%(前期:▲1.0%)と6期連続のマイナス成長となった。
さらに、当期は前期に成長を大幅に押上げた在庫投資の成長率寄与度が▲0.86%ポイント(前期:+0.53%ポイント)となったほか、外需も同▲0.65%ポイント(前期:+0.73%ポイント)といずれも前期の反動もあって成長率を大幅に引き下げた。
当期は、予想通り在庫投資や外需の成長率押下げによって前期から成長率が低下した。一方、民間設備投資の不振は懸念されるものの、個人消費が前期の低調な伸びから回復しており、米経済は個人消費主導で底堅い成長が持続していることを確認できる結果と言えよう。
1 以降、本稿では特に断りの無い限り季節調整済の実質値を指すこととする。
2.結果の詳細:
(個人消費・個人所得)自動車・自動車部品消費が大幅に増加
4-6月期の個人消費は、財消費が前期比年率+8.3%(前期:+1.5%)と前期から大幅に伸びが加速したほか、サービス消費も+2.5%(前期:+1.0%)とこちらも前期から伸びが加速した(図表3)。財消費では、耐久財が+12.9%(前期:+0.3%)と大幅に伸びたが、自動車・自動車部品が+15.9%(前期:▲10.2%)と大幅なプラスに転じたほか、娯楽財・スポーツカーが+17.0%(前期:+12.4%)と前期に続き好調を維持したことが大きい。
一方、非耐久財も+6.0%(前期:+2.2%)と伸びが加速した。こちらはガソリン・エネルギーが+0.7%(前期:+0.5%)と前期に続き低調な伸びに留まったものの、食料・飲料が+5.1%(前期:▲1.7%)、衣料・靴が+14.2%(前期:▲3.8%)と前期からプラスに転じ全体を押上げた。
最後にサービス消費は、医療サービスが+2.8%(前期:+6.5%)と前期から伸びが鈍化したものの、娯楽サービスが+3.9%(前期:▲1.0%)、飲食・宿泊が+4.5%(前期:▲1.3%)と前期からプラスに転じた。さらに、住宅・公共料金が+1.1%(前期:+0.1%)と前期から伸びが加速した。
一方、実質可処分所得は前期比年率+2.5%(前期:+4.4%)と前期から伸びが鈍化した(図表4)。また、貯蓄率は8.1%(前期:8.5%)と前期から低下した。もっとも、貯蓄率は12年10-12月期(同10.2%)以来の高い水準となっており、消費余力を残していると言える。
4-6月期の個人消費は、財消費が前期比年率+8.3%(前期:+1.5%)と前期から大幅に伸びが加速したほか、サービス消費も+2.5%(前期:+1.0%)とこちらも前期から伸びが加速した(図表3)。財消費では、耐久財が+12.9%(前期:+0.3%)と大幅に伸びたが、自動車・自動車部品が+15.9%(前期:▲10.2%)と大幅なプラスに転じたほか、娯楽財・スポーツカーが+17.0%(前期:+12.4%)と前期に続き好調を維持したことが大きい。
一方、非耐久財も+6.0%(前期:+2.2%)と伸びが加速した。こちらはガソリン・エネルギーが+0.7%(前期:+0.5%)と前期に続き低調な伸びに留まったものの、食料・飲料が+5.1%(前期:▲1.7%)、衣料・靴が+14.2%(前期:▲3.8%)と前期からプラスに転じ全体を押上げた。
最後にサービス消費は、医療サービスが+2.8%(前期:+6.5%)と前期から伸びが鈍化したものの、娯楽サービスが+3.9%(前期:▲1.0%)、飲食・宿泊が+4.5%(前期:▲1.3%)と前期からプラスに転じた。さらに、住宅・公共料金が+1.1%(前期:+0.1%)と前期から伸びが加速した。
一方、実質可処分所得は前期比年率+2.5%(前期:+4.4%)と前期から伸びが鈍化した(図表4)。また、貯蓄率は8.1%(前期:8.5%)と前期から低下した。もっとも、貯蓄率は12年10-12月期(同10.2%)以来の高い水準となっており、消費余力を残していると言える。

4-6月期の民間設備投資は、設備機器投資が前期比年率+0.7%(前期:▲0.1%)を僅かながら前期からプラスに転じた一方、知的財産投資が+4.7%(前期:+10.8%)と前期から伸びが鈍化したほか、建設投資が▲10.6%(前期:+4.0%)と16年4-6月期(同▲11.5%)以来の大幅な落ち込みとなって全体を押下げた(図表5)。
建設投資では、資源関連が▲15.7%(前期:▲0.7%)と4期連続でマイナスとなるなど低迷が続いているほか、商業・医療が▲13.9%(前期:+7.0%)、製造業が▲11.3%(前期:+17.8%)、電力・通信も▲1.8%(前期:+1.9%)といずれも前期からマイナスに転じた。
設備機器投資では、産業機器が横這い(前期:▲3.4%)と前期から回復した一方、輸送機器が▲9.2%(前期:▲4.1%)と2期連続でマイナスとなったほか、コンピュータ・周辺機器が+18.5%(前期:+9.2%)と前期から伸びが加速したものの、情報処理関連全体では+6.7%(前期:+9.2%)と伸びが鈍化するなど、分野によってまちまちの結果となった。
知的財産投資では、ソフトウエアが+7.5%(前期:+14.7%)、研究・開発も+3.5%(前期:+9.7%)となり、前期から伸びが鈍化した。
最後に住宅投資は、集合住宅が前期比年率+9.3%(前期+4.3%)と前期から伸びが加速した一方、戸建てが▲1.2%(前期:▲14.6%)と5期連続のマイナスとなるなど、回復が遅れている。
(貿易)輸出入ともに貿易赤字を拡大させる方向の動き
4-6月期の輸出入の内訳をみると、輸出が前期比年率▲5.2%(前期:+4.1%)と前期からマイナスに転じたほか、輸入が+0.1%(前期:▲1.5%)と前期から僅かながらプラスに転じており、当期は輸出入ともに貿易赤字を拡大させる方向に働いた(図表7、8)。
輸出を仔細にみると、財輸出が前期比年率▲5.0%(前期:+4.6%)、サービス輸出が▲5.6%(前期:+3.3%)といずれも前期からマイナスに転じた(図表7)。財輸出では、食料・飲料が前期比年率+38.2%(前期:+39.9%)と2期連続で大幅なプラスを維持したほか、工業用原料が+3.2%(前期:▲1.9%)と前期からプラスに転じた。一方、それ以外では資本財(自動車関連除く)が▲17.2%(前期:▲1.1%)と2期連続のマイナスとなったほか、自動車関連が▲10.1%(前期:+39.9%)、消費財(食料・自動車関連を除く)も▲13.0%(前期:+8.6%)と前期から大幅なマイナスに転じた。
輸入は、サービス輸入が前期比年率▲0.3%(前期+4.5%)と前期からマイナスに転じたものの、財輸入が+0.2%(前期:▲2.8%)と僅かながらプラスに転じた(図表8)。財輸入では消費財(食料・自動車関連を除く)が▲3.7%(前期:+5.3%)と前期からマイナスに転じたほか、工業原料が▲5.4%(前期:▲12.4%)、資本財(自動車関連除く)も▲1.3%(前期:▲5.9%)と前期からマイナス幅が縮小したものの、前期に続きマイナスとなった。一方、自動車関連が+8.2%(前期:▲1.3%)と前期からプラスに転じて全体を押上げた。
4-6月期の輸出入の内訳をみると、輸出が前期比年率▲5.2%(前期:+4.1%)と前期からマイナスに転じたほか、輸入が+0.1%(前期:▲1.5%)と前期から僅かながらプラスに転じており、当期は輸出入ともに貿易赤字を拡大させる方向に働いた(図表7、8)。
輸出を仔細にみると、財輸出が前期比年率▲5.0%(前期:+4.6%)、サービス輸出が▲5.6%(前期:+3.3%)といずれも前期からマイナスに転じた(図表7)。財輸出では、食料・飲料が前期比年率+38.2%(前期:+39.9%)と2期連続で大幅なプラスを維持したほか、工業用原料が+3.2%(前期:▲1.9%)と前期からプラスに転じた。一方、それ以外では資本財(自動車関連除く)が▲17.2%(前期:▲1.1%)と2期連続のマイナスとなったほか、自動車関連が▲10.1%(前期:+39.9%)、消費財(食料・自動車関連を除く)も▲13.0%(前期:+8.6%)と前期から大幅なマイナスに転じた。
輸入は、サービス輸入が前期比年率▲0.3%(前期+4.5%)と前期からマイナスに転じたものの、財輸入が+0.2%(前期:▲2.8%)と僅かながらプラスに転じた(図表8)。財輸入では消費財(食料・自動車関連を除く)が▲3.7%(前期:+5.3%)と前期からマイナスに転じたほか、工業原料が▲5.4%(前期:▲12.4%)、資本財(自動車関連除く)も▲1.3%(前期:▲5.9%)と前期からマイナス幅が縮小したものの、前期に続きマイナスとなった。一方、自動車関連が+8.2%(前期:▲1.3%)と前期からプラスに転じて全体を押上げた。
一方、FRBが物価の指標として注目するPCE価格指数2は、前期比年率+2.3%、前年同期比+1.4%(前期:+0.4%、+1.4%)と前期比は前期から伸びが加速した、前年同期比では前期から横這いとなりFRBの物価目標(2%)を下回る状況が持続している(図表10)。また、食料品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は前期比年率+1.8%、前年同期比+1.5%(前期:+1.1%、+1.6%)と、こちらも前期比では前期から加速した一方、前年同期比では伸びが鈍化しており、前年同期比では基調としての物価に上昇圧力はみられない。
2 現在、FOMCのメンバーは四半期に一度物価見通しを公表しており、そこで物価の指標として採用されている指数がPCE価格指数とコアPCE価格指数である。見通しは年単位で、各年の10-12月期における前年同期比が公表されている。
2 現在、FOMCのメンバーは四半期に一度物価見通しを公表しており、そこで物価の指標として採用されている指数がPCE価格指数とコアPCE価格指数である。見通しは年単位で、各年の10-12月期における前年同期比が公表されている。
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(2019年07月29日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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