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- 日本株式の下落に身構える投資家~インデックス・ファンド、ブルベアETFの資金動向~
コラム
2019年06月06日
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約4カ月ぶりに日経平均が2万500円割れ
5月の前半は米中交渉の先行き不透明感から下落していた日本株式であったが、後半に入ると方向感に乏しい展開が続いた。4月の大型連休前には2万2,000円台であった日経平均株価は、5月14日や16日には2万1,000円割れ目前まで下落し、その後、しばらくは2万1,000円台前半で推移した。
ただ、月末にかけて再び下落基調となり日経平均株価は30日に2万1,000円を割った。さらに31日に米国のメキシコへの追加関税が発表されると下落基調を強め、6月3日に日経平均株価は2万400円まで下落した。5日には回復したが日経平均株価が2万500円を割ったのは2月8日以来、4カ月ぶりのことである。
このような中、投資家がどのような投資行動を取っているのか(上場していない)インデックス・ファンドとETFの資金動向をみる。
ただ、月末にかけて再び下落基調となり日経平均株価は30日に2万1,000円を割った。さらに31日に米国のメキシコへの追加関税が発表されると下落基調を強め、6月3日に日経平均株価は2万400円まで下落した。5日には回復したが日経平均株価が2万500円を割ったのは2月8日以来、4カ月ぶりのことである。
このような中、投資家がどのような投資行動を取っているのか(上場していない)インデックス・ファンドとETFの資金動向をみる。
インデックス・ファンドへの資金流入は鈍化
1 日本籍追加型株式投信でTOPIXや日経平均株価などの日本株式の指数に連動した運用をしているもの。ただし、ETF、SMA専用、DC専用は除外。
強気型ETFの資金流入も鈍く
強気型ETFの資金動向もインデックス・ファンドと概ね同じ傾向がみられた。5月9日から14日には連日大規模な資金流入がみられ、それ以降はほぼ資金流入が止まっていた。再び5月31日から6月4日にかけては資金流入があったが、5月9日から14日と比べると小規模であった。また、5月31日から6月4日の3営業日のうちで株価が下げ止まった4日が最大であった。「落ちてくるナイフはつかむな」の相場格言のように単純に逆張り投資をするより、下げ止まりの兆しが出てから投資する投資家が多かったようである。なお、弱気型ETFの資金動向も符号こそ反対(強気型ETFが資金「流入」しているときに弱気型ETFは資金「流出」)であるが、強気型ETFと同じ傾向がみられた。
2 概ね日経平均株価の2倍動くETF
3 概ね日経平均株価の逆方向に2倍動くETF
2 概ね日経平均株価の2倍動くETF
3 概ね日経平均株価の逆方向に2倍動くETF
最後に
インデックス・ファンドや強気型ETFの資金動向からは逆張り投資の傾向が引き続きみられるものの、その傾向は弱くなっていることが分かる。日経平均株価の下落幅が5月以降の累計で2,000円に迫るなど大きくなっており、投資家の損失も膨らんでいるだけに買い余力が低下していることもあるだろう。それに加えて、米中問題の深刻化や長期化などが懸念され、急速に円高なども進行する中、日本株式の先行きに対して慎重になっている投資家が増えていることも考えられる。
(ご注意)当資料のデータは信頼ある情報源から入手、加工したものですが、その正確性と完全性を保証するものではありません。当資料の内容について、将来見解を変更することもあります。当資料は情報提供が目的であり、投資信託の勧誘するものではありません。
(2019年06月06日「研究員の眼」)

03-3512-1785
経歴
- 【職歴】
2008年 大和総研入社
2009年 大和証券キャピタル・マーケッツ(現大和証券)
2012年 イボットソン・アソシエイツ・ジャパン
2014年 ニッセイ基礎研究所 金融研究部
2022年7月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・投資信託協会「すべての人に世界の成長を届ける研究会」 客員研究員(2020・2021年度)
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