2019年05月10日

続・働く女性の管理職希望-「働くママ3.0世代」は仕事も結婚も子ども望む

生活研究部 上席研究員 久我 尚子

文字サイズ

■要旨
  • 「働く女性の管理職希望」では、正規雇用者で非管理職のうち、管理職に興味がある女性は2割弱であり、年齢や最終学歴等の属性による違いがあった。本稿では、どのような属性の影響が大きいのかについて、重回帰分析を用いて分析する。
     
  • キャリア形成に積極的な考え方は何よりも管理職への興味を高め、働くことに消極的な考え方は管理職への興味を低減する。また、女性の社会進出が進み、キャリア形成初期の若い世代であること、子どもがいることは管理職への興味を高める。
     
  • 年齢別には、30歳代ではキャリアも家庭も重視する考え方で、子どもがいることは管理職への興味を高める。仕事か家庭かを選ぶのではなく、仕事も家庭も望むような世代となっている。なお、40歳代では短大卒であることは管理職への興味を低減させる。
     
  • 若い世代ほど、女性が当然のように働き、家庭を持つことも望んでいる。新入社員の男性の育休取得意向が7割を超える中では、男性が当然のように家事や育児をしながら働く時代も遠くないのかもしれない。
     
  • 平成は、「女性」が仕事と「育児」を両立するための環境整備という観点に重きを置かれていたが、令和は、性別によらず、環境整備が望まれる時代だ。また、更なる高齢化により「介護」の観点も強まるだろう。


■目次

1――はじめに
 ~働く女性の管理職希望は2割弱。管理職希望への影響が大きい要因は何か?
2――働く女性の管理職への興味に影響を与える要因
 ~キャリア志向の強さや子どもがいること、年収の高さ、若い世代であること
3――年齢別に見た管理職への興味に影響を与える要因
 ~今の30代は結婚も子どももキャリアも望む
4――おわりに
 ~平成の働くママ3.0世代は仕事も結婚も子どもも望む、令和は男性と介護という視点も
Xでシェアする Facebookでシェアする

生活研究部   上席研究員

久我 尚子 (くが なおこ)

研究・専門分野
消費者行動、心理統計、マーケティング

経歴
  • プロフィール
    【職歴】
     2001年 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ入社
     2007年 独立行政法人日本学術振興会特別研究員(統計科学)採用
     2010年 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門
     2021年7月より現職

    ・神奈川県「神奈川なでしこブランドアドバイザリー委員会」委員(2013年~2019年)
    ・内閣府「統計委員会」専門委員(2013年~2015年)
    ・総務省「速報性のある包括的な消費関連指標の在り方に関する研究会」委員(2016~2017年)
    ・東京都「東京都監理団体経営目標評価制度に係る評価委員会」委員(2017年~2021年)
    ・東京都「東京都立図書館協議会」委員(2019年~2023年)
    ・総務省「統計委員会」臨時委員(2019年~2023年)
    ・経済産業省「産業構造審議会」臨時委員(2022年~)
    ・総務省「統計委員会」委員(2023年~)

    【加入団体等】
     日本マーケティング・サイエンス学会、日本消費者行動研究学会、
     生命保険経営学会、日本行動計量学会、Psychometric Society

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【続・働く女性の管理職希望-「働くママ3.0世代」は仕事も結婚も子ども望む】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

続・働く女性の管理職希望-「働くママ3.0世代」は仕事も結婚も子ども望むのレポート Topへ