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中国経済:景気指標の総点検(2019年春季号)~景気の悪化は一旦止まった模様、経済成長の勢いは横ばいへ!

三尾 幸吉郎
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- 2018年の中国経済は、債務圧縮(デレバレッジ)による景気下押し圧力と、米中貿易摩擦による先行き不透明感の強まりを背景に、経済成長の勢いが鈍化することとなった。これを受けて、株価が下落し消費者マインドを冷やしたため、自動車販売は前年割れに落ち込んだ。しかし、19年に入り米中貿易協議が進展し始めると、株価は反発し逆資産効果が薄れるとともに、増値税引き下げなどで販売価格が下がり、自動車販売は持ち直す可能性が浮上した。
- 景気10指標を点検すると、需要面に関しては、固定資産投資が3ヵ月連続で“×”、輸出も4ヵ月連続で“×”と減速傾向が続いた一方、小売売上高は5ヵ月連続で“○”となり加速し始めている。供給面に関しては、工業生産は“○”と“×”が交互に生じ一進一退だが、製造業PMIは9ヵ月連続で“×”と減速が続いた一方、非製造業PMIは2ヵ月連続で“○”と加速の兆しがある。その他の4指標に関しては、電力消費量と道路貨物輸送量が“×”で、工業生産者出荷価格と通貨供給量が“○”と、加速・減速のいりまじった状況となっている。以上を“○=1点”、“×=0点”として集計した景気評価点は5点と、景気は“やや減速”から“横ばい”に戻ったに過ぎないが、景気の悪化は一旦止まった模様である(下左図)。
- 一方、「景気インデックス(工業生産、サービス業生産、製造業PMIの3つを合成加工したもので、月次の景気指標の動きを成長率に換算するとどの程度かを表示)」の推移をみると、17年前半まで概ね6%台後半で推移していた「景気インデックス」は、18年5月(6.83%)を直近ピークに低下し始め、11月には6.38%まで低下した。しかし、その後は6.3%台後半で推移しており、経済成長の勢いは「減速」から「横ばい」に移行している(下右図)。
1.中国経済の概況
2.景気10指標の点検
【生産面の3指標】
【需要面の3指標】
【その他の重要な4指標】
【景気評価点は 景気悪化が一旦止まったことを示唆】
3.「景気インデックス」は4ヵ月連続で横ばい!
(2019年03月29日「Weekly エコノミスト・レター」)
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