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2019年度の年金額改定は、4年ぶりに将来給付の改善に貢献-年金額改定ルールと年金財政や将来の給付への影響の確認

保険研究部 上席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査室長 兼任 中嶋 邦夫
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2019年度の公的年金額は4年ぶりに前年度比で+0.1%増額されるが、新聞等では「抑制」と報じられている。なぜ、増額にもかかわらず抑制なのだろうか。本稿では、年金財政への影響の観点から年金額改定ルールを解説し1、改定ルールが今回の改定でどのように機能しているかを厚生労働省のプレスリリース2に沿って確認する。さらに、改定ルールに関する今後の注目点を展望する。
1 個人の観点からの確認等は、拙稿「2019年度年金額改定の意味」を参照
2 厚生労働省ホームページ「平成31年度の年金額改定について」。
■目次
1 ―― 年金額の改定ルール
:本則ルールと年金財政健全化のための調整ルールの2つを適用
1|改定ルールの全体像:現在は2つのルールを適用
2| 本則の改定ルール:年金額の実質的な価値を維持するため
3| 年金財政健全化のための調整ルール(いわゆるマクロ経済スライド)
2 ―― 改定ルールの見直し(2016年改正):特例を見直し、将来の給付水準の低下を抑制
1| 見直しの背景:特例が原則よりも多発
2| 見直しの内容:特例を見直して悪影響を縮小
3 ―― 2019年度分の年金額改定(プレスリリースの解説)
:4年ぶりに将来給付の改善に貢献
1| 本則の改定:特例だが、年金財政に中立的なパターンに該当
2| 年金財政健全化のための調整(いわゆるマクロ経済スライド):繰越分の精算が完了
3| 2019年度の改定率の評価:将来給付にプラスだが、過去の特例のカバーにとどまる
4 ―― 今後の注目点:短期的な問題はなさそうだが、長期的な影響に要注目
1| 短期的な注目点:特例に要注目だが、悪影響を及ぼすパターンには該当しない見通し
2| 長期的な注目点:過去の特例該当の影響と、近年の調整率が低水準であることの影響
(2019年03月25日「基礎研レポート」)
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03-3512-1859
- 【職歴】
1995年 日本生命保険相互会社入社
2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
(2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)
【社外委員等】
・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)
【加入団体等】
・生活経済学会、日本財政学会、ほか
・博士(経済学)
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