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- 【アジア・新興国】タイの生命保険市場(2017年版)
2018年09月18日
■要旨
2017年のタイ生命保険市場の正味収入保険料(返戻金控除前)は前年比5.5%増の5,914億バーツ(約2.0兆円)と、前年の同7.0%増を下回り、3年連続で一桁台の伸びに止まった。タイ生保市場は2014年頃まで概ね二桁成長を続けてきたが、直近3年間は収入保険料が伸び悩んでいる。この要因としては低金利環境が続いて貯蓄性商品の販売が落ちたことや、消費者ニーズに応える商品を出せなかったこと、家計債務が高止まりしていることも販売の足枷となったこと等が挙げられる。
生保各社は低金利の厳しい事業環境が続くなか、ユニット・リンク保険の販路拡大やコンビニエンスストアやガソリンスタンドで購入できるマイクロ保険(低所得者を対象とした小額で加入できる保険)の発売など市場の裾野を広げている。またデジタル世代の顧客ニーズに対応してネット販売に向けたシンプルな保険商品の開発を進めるなど、新商品・サービスや販売サポートを開発する先進的な取組みを進めている。
さらにタイでは、少子・高齢化と医療費の高額化が進む一方で社会保障制度の整備が遅れており、年金など退職準備関連商品や医療保険のニーズが今後拡大すると見込まれる。従って、タイ経済の成長率は中長期的に緩やかな低下傾向にあるものの、タイ生命保険市場は今後も持続的に拡大するだろう。
■目次
1―市場概況
2―保険種類別の販売動向
3―商品別の販売動向
4―販売チャネル別の販売動向
5―会社別の販売動向
6―資産運用状況
7―収支動向
8―おわりに
2017年のタイ生命保険市場の正味収入保険料(返戻金控除前)は前年比5.5%増の5,914億バーツ(約2.0兆円)と、前年の同7.0%増を下回り、3年連続で一桁台の伸びに止まった。タイ生保市場は2014年頃まで概ね二桁成長を続けてきたが、直近3年間は収入保険料が伸び悩んでいる。この要因としては低金利環境が続いて貯蓄性商品の販売が落ちたことや、消費者ニーズに応える商品を出せなかったこと、家計債務が高止まりしていることも販売の足枷となったこと等が挙げられる。
生保各社は低金利の厳しい事業環境が続くなか、ユニット・リンク保険の販路拡大やコンビニエンスストアやガソリンスタンドで購入できるマイクロ保険(低所得者を対象とした小額で加入できる保険)の発売など市場の裾野を広げている。またデジタル世代の顧客ニーズに対応してネット販売に向けたシンプルな保険商品の開発を進めるなど、新商品・サービスや販売サポートを開発する先進的な取組みを進めている。
さらにタイでは、少子・高齢化と医療費の高額化が進む一方で社会保障制度の整備が遅れており、年金など退職準備関連商品や医療保険のニーズが今後拡大すると見込まれる。従って、タイ経済の成長率は中長期的に緩やかな低下傾向にあるものの、タイ生命保険市場は今後も持続的に拡大するだろう。
■目次
1―市場概況
2―保険種類別の販売動向
3―商品別の販売動向
4―販売チャネル別の販売動向
5―会社別の販売動向
6―資産運用状況
7―収支動向
8―おわりに
(2018年09月18日「保険・年金フォーカス」)
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1780
経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
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