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気候変動と死亡率-地球温暖化はどのように死亡率に影響するか?
保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
地球温暖化をはじめとしたグローバルな気候変動に、注目が高まっている。国際アクチュアリー会(IAA)は、環境・資源問題に関する作業部会を設けて、気候変動の動向や、保険への影響などを研究している。同部会は2017年に、「気候変動と死亡率」と題するディスカッションペーパー(以下「ペーパー」)を公表した。アクチュアリーをはじめ、広く有識者の意見を募り、議論を深めようとしている。
本稿では、このペーパーをもとに、気候変動が人の死亡率に及ぼす影響をみていくこととしたい。
■目次
1――はじめに
2――死亡率の上昇要因
1|旱魃や飢饉の発生に伴って死亡率が上昇する
2|厳しい気象条件の増加が死亡率の上昇を招く
3|自然災害の増加が死亡率上昇を引き起こす可能性もある
4|海洋沿岸地域では、洪水や海水面上昇が死亡率上昇に影響する懸念もある
5|特定疾患の患者が増えて、死亡率が上昇する
6|貧困と格差が死亡率の上昇につながる恐れもある
7|大気汚染が死亡率上昇の要因となる
3――死亡率の低下要因
1|冬季の温暖化により、死亡率が低下する
2|温暖な気温に伴って特定地域で農業生産が伸び、死亡率の低下の要因となる
3|二酸化炭素肥沃効果が死亡率低下につながる可能性がある
4|地球温暖化への適応措置が奏功して死亡率低下につながることも考えられる
5|さまざまな緩和効果が死亡率低下を呼ぶことが考えられる
4――生命保険加入者や年金受給者に与える影響
1|さまざまな要因が、被保険者や年金受給者の死亡率に影響する
2|死亡率の影響を超えた検討も必要
3|アクチュアリーには気候変動による死亡率への影響分析が求められている
5――おわりに
保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
公式SNSアカウント
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