- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 医療・介護・健康・ヘルスケア >
- 健康・ヘルスケア >
- 肥満傾向の都道府県差~成人は最大で5kg程度の差
2018年07月02日
1――国全体の平均BMIの推移(成人)
2――都道府県別 平均BMI(成人)
BMIには、都道府県差があることが知られている。年齢調整後の平均BMIを都道府県別にみる5と、男女には一定の相関があり(相関係数=0.43)、おおむね都市部で低い傾向が、地方部で高い傾向がある。都道府県別にみると、青森県、宮城県、福島県、岡山県、宮崎県は男女ともに高く、東京都と京都府は男女ともに低い。一方、沖縄県は女性のみが、高知県は男性のみが、それぞれ高い。
男性の最高25.10kg/m2(高知県)と最低23.10 kg/m2(新潟県)の差は2.0 kg/m2、女性の最高23.90 kg/m2(福島県)と最低21.80 kg/m2(福岡県)の差は2.1 kg/m2の差がある。平均的な身長6だとすれば、男性で5.6kg、女性で5.0kg程度の体重差がある計算となる。
男性の最高25.10kg/m2(高知県)と最低23.10 kg/m2(新潟県)の差は2.0 kg/m2、女性の最高23.90 kg/m2(福島県)と最低21.80 kg/m2(福岡県)の差は2.1 kg/m2の差がある。平均的な身長6だとすれば、男性で5.6kg、女性で5.0kg程度の体重差がある計算となる。
都道府県別の平均BMIは、2012年と2016年の2時点分しか公表されていないが、この2時点の標準偏差を比較すると、男性はいずれも0.42 kg/m2、女性は2012年が0.50 kg/m2で2016年が0.48 kg/m2と、都道府県のバラツキ度に変化はない。
5 公表されているのは、20~69歳男性の平均(年齢調整済)と、40~69歳女性の平均(年齢調整済)である。なお、年齢構成の影響を排除するために、年齢調整済の数値を使う。
6 厚生労働省「国民健康・栄養調査(2016年)」によれば、20歳以上の平均身長は、男性が167cm、女性が154cmである。
5 公表されているのは、20~69歳男性の平均(年齢調整済)と、40~69歳女性の平均(年齢調整済)である。なお、年齢構成の影響を排除するために、年齢調整済の数値を使う。
6 厚生労働省「国民健康・栄養調査(2016年)」によれば、20歳以上の平均身長は、男性が167cm、女性が154cmである。
3――都道府県別 肥満傾向児の割合(子ども)
子どもの肥満にも、都道府県による特徴があるだろうか。
文部科学省による「学校保健統計」では、小学生から高校生までの都道府県別肥満傾向児7の割合を公表している。中学生の肥満児傾向の割合を都道府県別にみると、やはり地域差があり、都市部で低く、地方で高い傾向が成人と共通している。都道府県別にみると、青森県、宮城県、福島県は成人男女、中学男女いずれも高く、京都府は成人男女、中学男女いずれも低い(成人との相関は図表3男性と中学男子で0.45、図表3女性と中学女子で0.52)。
中学男子で肥満傾向児が最高の岩手県(13.52%)と最低の島根県(6.37%)の差は7ポイント、中学女子で最高の青森県(11.43%)と最低の滋賀県(5.52%)の差は6ポイントだった。
文部科学省による「学校保健統計」では、小学生から高校生までの都道府県別肥満傾向児7の割合を公表している。中学生の肥満児傾向の割合を都道府県別にみると、やはり地域差があり、都市部で低く、地方で高い傾向が成人と共通している。都道府県別にみると、青森県、宮城県、福島県は成人男女、中学男女いずれも高く、京都府は成人男女、中学男女いずれも低い(成人との相関は図表3男性と中学男子で0.45、図表3女性と中学女子で0.52)。
中学男子で肥満傾向児が最高の岩手県(13.52%)と最低の島根県(6.37%)の差は7ポイント、中学女子で最高の青森県(11.43%)と最低の滋賀県(5.52%)の差は6ポイントだった。
4――まとめ
内臓脂肪型肥満は、心疾患や脳血管疾患などの重篤な疾病の原因となる「動脈硬化」を起こす要因となる高血圧や糖尿病、高脂血症等を引き起こしやすい。日本では、BMIが25 kg/m2以上を肥満とし、必要に応じて生活習慣指導を行っている。
日本全体の成人についてみると、1976年以降、男性(20~69歳)のBMIは上昇、女性(40~69歳)のBMIは低下しており、2016年には男性の3割が25を超えて肥満に分類される(女性は2割)。また、子どもの肥満傾向児の割合は、近年、男女とも低下傾向にあるが、2016年の中学生で8~9%となっている。
成人の平均BMIと子どもの肥満傾向児の割合は、都道府県によって差がある。成人の平均BMIの差は、体重で換算すると(身長は平均値)、男女とも最大で5kg程度あり、子どもの肥満傾向児の割合の差は男女とも最大6~7ポイント程度である。
肥満傾向の都道府県差は、食生活や歩行数・移動時の車利用状況などの生活習慣や、所得や学歴等の社会的要因と関連づけて考えられている。実際は、これらの複合的な要因によると考えられるが、成人と子どもが共通して肥満傾向がある都道府県も多いことから、個人の健康意識を上げていくとともに、気象や就労環境など地域に特有の条件にあわせた取組が必要だろう。
日本全体の成人についてみると、1976年以降、男性(20~69歳)のBMIは上昇、女性(40~69歳)のBMIは低下しており、2016年には男性の3割が25を超えて肥満に分類される(女性は2割)。また、子どもの肥満傾向児の割合は、近年、男女とも低下傾向にあるが、2016年の中学生で8~9%となっている。
成人の平均BMIと子どもの肥満傾向児の割合は、都道府県によって差がある。成人の平均BMIの差は、体重で換算すると(身長は平均値)、男女とも最大で5kg程度あり、子どもの肥満傾向児の割合の差は男女とも最大6~7ポイント程度である。
肥満傾向の都道府県差は、食生活や歩行数・移動時の車利用状況などの生活習慣や、所得や学歴等の社会的要因と関連づけて考えられている。実際は、これらの複合的な要因によると考えられるが、成人と子どもが共通して肥満傾向がある都道府県も多いことから、個人の健康意識を上げていくとともに、気象や就労環境など地域に特有の条件にあわせた取組が必要だろう。
(2018年07月02日「基礎研レター」)
03-3512-1783
経歴
- 【職歴】
2003年 ニッセイ基礎研究所入社
村松 容子のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/12/20 | がんに関する知識とがん検診受診率・がんに関する備え | 村松 容子 | 基礎研レポート |
2024/12/03 | 働くうえで性別による不利益や得を経験したことがあるか~男性は若年ほど「不利益」を経験。中高年以上女性の「不利益」は解消されないままか | 村松 容子 | 基礎研レポート |
2024/11/26 | ニッセイ景況アンケート調査結果-全国調査結果 2024年度調査(2024年9月) | 村松 容子 | ニッセイ景況アンケート |
2024/10/08 | 2022年データによる65歳時点の健康余命-新型コロナによる平均余命の短縮は、健康余命にも影響 | 村松 容子 | 基礎研マンスリー |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2025年01月14日
15パズルの確率-ランダムに設定したパズルが解ける確率は? -
2025年01月14日
基礎年金の給付調整の早期終了などは政府での検討に持ち越し~年金改革ウォッチ2025年1月号 -
2025年01月14日
米雇用統計(24年12月)-非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に上回ったほか、失業率が横這い予想に反して低下 -
2025年01月14日
価値ある空き家を掘り起こす-空き家活用事例の調査より- -
2025年01月14日
今週のレポート・コラムまとめ【1/7-1/10発行分】
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【肥満傾向の都道府県差~成人は最大で5kg程度の差】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
肥満傾向の都道府県差~成人は最大で5kg程度の差のレポート Topへ