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- 貿易統計18年4月-輸出全体は好調もアジア向け、IT関連は弱めの動きが継続
2018年05月21日
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1.貿易黒字(季節調整値)が拡大した
財務省が5月21日に公表した貿易統計によると、18年4月の貿易収支は6,260億円と2ヵ月連続の黒字となり、事前の市場予想(QUICK集計:4,000億円、当社予想は5,321億円)を上回る結果となった。輸出入ともに前月から伸びを高めたが、輸出の伸び(前年比7.8%)が輸入の伸び(前年比5.9%)を上回ったため、貿易収支は前年に比べ1,477億円の改善となった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比4.6%(3月:同1.8%)、輸出価格が前年比3.1%(3月:同0.3%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比1.4%(3月:同▲4.9%)、輸入価格が前年比4.4%(3月:同4.5%)であった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比4.6%(3月:同1.8%)、輸出価格が前年比3.1%(3月:同0.3%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比1.4%(3月:同▲4.9%)、輸入価格が前年比4.4%(3月:同4.5%)であった。
季節調整済の貿易収支は5,500億円となり、3月の1,700億円から黒字幅が拡大した。輸出が前月比4.6%(3月:同▲2.9%)と4ヵ月ぶりの増加となる一方、輸入が前月比▲1.2%(3月:同▲6.1%)と2ヵ月連続で減少した。
2.輸出全体は復調も、アジア向け、IT関連輸出が弱い動き
4月の輸出数量指数を地域別に見ると、米国向けが前年比7.1%(3月:同3.4%)、EU向けが前年比6.7%(3月:同▲7.5%)、アジア向けが前年比1.1%(3月:同2.5%)となった。
季節調整値(当研究所による試算値)では、米国向けが前月比2.4%(3月:同▲0.3%)、EU向けが前月比12.4%(3月:同▲5.1%)、アジア向けが前月比▲1.7%(3月:同2.3%)、全体では前月比3.9%(3月:同▲0.7%)となった。4月の水準を1-3月期と比べると、米国向けが4.3%、EU向けが8.3%高いが、アジア向けは▲1.6%低くなっている(全体は3.1%高い)。
1-3月期の輸出はIT関連需要の増勢一服の影響などからアジア向けを中心に弱めの動きとなった。4-6月期の輸出は地域別には欧米向け、商品別には半導体製造装置、自動車等が高い伸びとなり、全体としては好調な滑り出しとなったが、IT関連、アジア向けは低迷を脱していない。IT関連輸出の低迷は国内の生産活動停滞の一因となっており、引き続き下振れリスクに警戒が必要だろう。
季節調整値(当研究所による試算値)では、米国向けが前月比2.4%(3月:同▲0.3%)、EU向けが前月比12.4%(3月:同▲5.1%)、アジア向けが前月比▲1.7%(3月:同2.3%)、全体では前月比3.9%(3月:同▲0.7%)となった。4月の水準を1-3月期と比べると、米国向けが4.3%、EU向けが8.3%高いが、アジア向けは▲1.6%低くなっている(全体は3.1%高い)。
1-3月期の輸出はIT関連需要の増勢一服の影響などからアジア向けを中心に弱めの動きとなった。4-6月期の輸出は地域別には欧米向け、商品別には半導体製造装置、自動車等が高い伸びとなり、全体としては好調な滑り出しとなったが、IT関連、アジア向けは低迷を脱していない。IT関連輸出の低迷は国内の生産活動停滞の一因となっており、引き続き下振れリスクに警戒が必要だろう。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2018年05月21日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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