- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経営・ビジネス >
- 雇用・人事管理 >
- トランプの言う paid family leaveとは-産休のない国アメリカ
トランプの言う paid family leaveとは-産休のない国アメリカ

経済研究部 部長 宮垣 淳一
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
米国は、先進国で唯一「有給の産前産後休暇や育児休暇」のない国だ。(図1)1トランプ大統領は、働く家族を支えるために産休を含めた休暇制度を用意しようとしている。一方、図1の通り、欧州先進国では手厚い産前産後休暇制度が用意されている。
さて、米国に話を戻すと、産休のない国アメリカでは女性活躍が遅れているのだろうか。もう少しで女性大統領誕生だったことを見ても、日本よりはるかに女性が活躍している。筆者は、何も女性を働きやすくする制度が無くても、女性は活躍できると言いたいわけではない。むしろ、制度があっても活用できなければ、女性活躍推進など絵に描いたもちになってしまうということだ。
図2を見て欲しい。これは、父親に与えられる育児休暇の比較だ。日本は、韓国と並んで世界トップ水準の制度が用意されていることがわかる。しかし、男性の育児休業取得率は、いまだ3.16%(2016年度実績、厚生労働省)と極めて低い。「制度あれども活用されず」だ。育児制度後進国のはずの米国で、トランプが産休を制度化し、テクノロジー企業がさらに先進的な制度を用意すれば、女性活躍における日本との距離はさらに開くことになりかねない。
1 カリフォルニア州をはじめ州レベルで提供しているところは増えてきているが、まだ限定的である。一方、民間企業では先進的な制度を導入している会社もある。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2018年04月26日「研究員の眼」)

03-3512-1793
- 【職歴】
1983年 日本生命保険相互会社入社
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2013年 日本生命保険相互会社 支配人
2014年 ニッセイ基礎研究所 生活研究部部長
2020年4月 専務取締役経済研究部部長
2024年4月より現職
宮垣 淳一のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/12/06 | 国際福祉機器展2024に行ってきた-テクノロジーは介護人材不足の解決策となるのか | 宮垣 淳一 | 研究員の眼 |
2024/09/30 | 歴史、地理そして経済-戦国時代、金銀交換比率は1:10だった | 宮垣 淳一 | 研究員の眼 |
2023/12/06 | 人権週間にインクルーシブ教育を考える-知的障がいを中心に | 宮垣 淳一 | 研究員の眼 |
2022/11/30 | 60代男性はアンコンシャス・バイアスが低い?-内閣府の調査結果から | 宮垣 淳一 | 研究員の眼 |
新着記事
-
2025年05月02日
金利がある世界での資本コスト -
2025年05月02日
保険型投資商品等の利回りは、良好だったが(~2023 欧州)-4年通算ではインフレ率より低い。(EIOPAの報告書の紹介) -
2025年05月02日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その11)-螺旋と渦巻の実例- -
2025年05月02日
ネットでの誹謗中傷-ネット上における許されない発言とは? -
2025年05月02日
雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【トランプの言う paid family leaveとは-産休のない国アメリカ】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
トランプの言う paid family leaveとは-産休のない国アメリカのレポート Topへ