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- 【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(4月号)~輸出は旧正月の影響で上下に振れるも、基調に変化みられず
2018年04月11日
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18年2月のASEAN主要6カ国の輸出(ドル建て通関ベース)は前年同月比8.6%増(前月:同23.3%増)と、8ヵ月ぶりの一桁増まで低下した(図表1)。輸出は昨年、海外経済の回復や半導体需要の増加、一次産品の価格上昇が全体を押し上げ、好調に推移していたが、今年に入り旧正月の影響で上下に振れている。昨年1月だった旧正月が今年は2月となったために、連休前の需要増加によって1月の輸出が増加する一方、営業日数の減少によって2月の輸出が減少したとみられる。1-2月平均で見ると、6カ国合計の輸出額は前年同期比16.0%増と高水準を維持しており、輸出の基調に大きな変化はみられない。
ASEAN5カ国の仕向け地別の輸出動向を見ると、東アジア向け(同9.3%増)と東南アジア向け(同10.4%増)、北米向け(同9.9%増)、EU向け(同6.8%増)が揃って低下した(図表2)。旧正月の影響で上下に振れているが、総じて東アジア向けと東南アジア向けが輸出全体を押し上げる傾向がみられる。
ASEAN5カ国の仕向け地別の輸出動向を見ると、東アジア向け(同9.3%増)と東南アジア向け(同10.4%増)、北米向け(同9.9%増)、EU向け(同6.8%増)が揃って低下した(図表2)。旧正月の影響で上下に振れているが、総じて東アジア向けと東南アジア向けが輸出全体を押し上げる傾向がみられる。
タイの18年2月の輸出額は前年同月比10.3%増と、前月の同17.6%増から低下した。輸出の基調は、海外経済の回復を背景に需要が拡大した電子機器や自動車・同部品、また価格が上昇した石油製品を中心に増加傾向を維持しているが、昨年後半にピークアウトしたかにも見える。一方、輸入額が前年同月比16.0%増(前月:同24.3%増)と低下した結果、貿易収支は8.1億ドルの黒字となり、前月から9.3億ドル改善した(図表3)。
輸出を品目別に見ると、全体の約8割を占める主要工業製品は同11.5%増(前月:同17.2%増)と低下したものの、7ヵ月連続の二桁成長を維持した(図表4)。工業製品の内訳を見ると、自動車・部品(同27.0%増)と機械・装置(同14.5%増)、石油化学製品(同18.2%増)が高水準を維持した一方、好調だった電子機器(同6.3%増)は伸び悩んだ。また鉱業・燃料は同34.6%増(前月:同28.9%増)と、石油製品を中心に7ヵ月連続の二桁増となった。農産品・加工品は同0.3%増(前月:同16.6%増)と再び鈍化した。コメ(同20.1%増)こそ好調だったものの、天然ゴム(同28.8%減)、加工食品(同1.3%増)、ゴム製品(同1.2%増)が低調だった。
輸出を品目別に見ると、全体の約8割を占める主要工業製品は同11.5%増(前月:同17.2%増)と低下したものの、7ヵ月連続の二桁成長を維持した(図表4)。工業製品の内訳を見ると、自動車・部品(同27.0%増)と機械・装置(同14.5%増)、石油化学製品(同18.2%増)が高水準を維持した一方、好調だった電子機器(同6.3%増)は伸び悩んだ。また鉱業・燃料は同34.6%増(前月:同28.9%増)と、石油製品を中心に7ヵ月連続の二桁増となった。農産品・加工品は同0.3%増(前月:同16.6%増)と再び鈍化した。コメ(同20.1%増)こそ好調だったものの、天然ゴム(同28.8%減)、加工食品(同1.3%増)、ゴム製品(同1.2%増)が低調だった。
ベトナムの18年2月の輸出額は前年同月比9.5%増と、前月の同41.6%増から大きく鈍化し、13ヵ月ぶりの一桁増となった。輸出は16年後半に主力の電気・電子製品が勢いを取り戻してから政府目標(17年が+6-7%、18年が+7-8%)を上回る伸びが続いているが、昨年10月に増勢はピークアウトしたかに見える。先行きの輸出はサムスン電子の新型スマートフォン発売を背景に好調を維持しつつも、ベース効果により伸び率はやや鈍化すると見込まれる。一方、輸入額も前年同月比7.3%減(前月:同53.1%増)と大幅に低下した。結果として、貿易収支は前月の2.9億ドルの赤字となり、前月から1.1億ドル改善した(図表5)。
輸出を品目別に見ると、まず輸出全体の約2割を占める電話・部品が同44.2%増(前月:同69.3%増)と好調を維持したが、コンピュータ・電子部品が同0.9%減(前月:同48.4%増)と大幅に低下した。アパレル関連では織物・衣類が同18.9%増(前月:同16.5%増)が上昇した一方で、履物が同2.7%減(前月:同21.5%増)とマイナスに転じた。農産品では野菜(同43.3%増)やカシューナッツ(同29.5%増)が好調に推移したが、前月に好調だったコーヒー(同24.1%減)とコショウ(同47.8%減)、コメ(同0.3%減)はマイナスとなった。
輸出を資本別に見ると、全体の7割を占める外資系企業が同12.5%増(前月:同41.9%増)、地場企業が同2.4%増(前月:同41.0%増)と、それぞれ大きく低下した。
輸出を品目別に見ると、まず輸出全体の約2割を占める電話・部品が同44.2%増(前月:同69.3%増)と好調を維持したが、コンピュータ・電子部品が同0.9%減(前月:同48.4%増)と大幅に低下した。アパレル関連では織物・衣類が同18.9%増(前月:同16.5%増)が上昇した一方で、履物が同2.7%減(前月:同21.5%増)とマイナスに転じた。農産品では野菜(同43.3%増)やカシューナッツ(同29.5%増)が好調に推移したが、前月に好調だったコーヒー(同24.1%減)とコショウ(同47.8%減)、コメ(同0.3%減)はマイナスとなった。
輸出を資本別に見ると、全体の7割を占める外資系企業が同12.5%増(前月:同41.9%増)、地場企業が同2.4%増(前月:同41.0%増)と、それぞれ大きく低下した。
マレーシアの18年2月の輸出額は前年同月比11.3%増と、前月の同32.9%増から低下したものの、8ヵ月連続の二桁増を維持した。輸出の伸び率は主力の電気・電子製品を中心に好調に推移しているものの、2月は中華圏の旧正月の影響で伸び悩んだ。一方、輸入額も前年同月比10.4%増と、前月の同25.9%増から低下した結果、貿易収支は23.1億ドルの黒字と、前月から1.2億ドル悪化した(図表7)。
輸出を品目別に見ると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器は同13.1%増(前月:同41.8%増)と、主力の電気・電子製品(同13.4%増)を中心に低下した(図表8)。また化学製品が同9.5%増(前月:同38.3%増)と低下、動植物性油脂も同12.7%減(前月:同24.9%増)とパーム油を中心に大きく低下した。一方、鉱物性燃料は同21.6%増(前月:同17.0%増)と上昇した。天然ガス(0.2%増)こそ伸び悩んだものの、原油(同16.9%増)と石油製品(同46.5%増)が上昇した。
輸出を品目別に見ると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器は同13.1%増(前月:同41.8%増)と、主力の電気・電子製品(同13.4%増)を中心に低下した(図表8)。また化学製品が同9.5%増(前月:同38.3%増)と低下、動植物性油脂も同12.7%減(前月:同24.9%増)とパーム油を中心に大きく低下した。一方、鉱物性燃料は同21.6%増(前月:同17.0%増)と上昇した。天然ガス(0.2%増)こそ伸び悩んだものの、原油(同16.9%増)と石油製品(同46.5%増)が上昇した。
(2018年04月11日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1780
経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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