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- 日銀短観(3月調査)~大企業製造業の景況感は8四半期ぶりに悪化、先行きへの警戒も根強い
2018年04月02日
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3.需給・価格判断:内外需給は改善、製造業を中心に価格引き上げの動きも
(需給判断:内外需給ともに改善)
大企業製造業の国内製商品・サービス需給判断D.I.(需要超過-供給超過)は前回比1ポイント上昇、非製造業も2ポイント上昇した。製造業の海外需給も1ポイント上昇しており、内外需要ともに堅調さがうかがわれる。
一方、先行きについては、国内需給は製造業が2ポイント、非製造業は1ポイント低下しており、やや慎重な見方が優勢に。一方、製造業の海外需給は横ばいが見込まれている。
中小企業の国内需給については、製造業が前回から4ポイント上昇、非製造業は1ポイント上昇とともに改善した。製造業の海外需給も4ポイント上昇と改善がみられる。
先行きについては、国内需給は製造業、非製造業ともに3ポイント低下、製造業の海外需給も1ポイントの低下が見込まれており、大企業よりも慎重な見方となっている(図表4)。
大企業製造業の国内製商品・サービス需給判断D.I.(需要超過-供給超過)は前回比1ポイント上昇、非製造業も2ポイント上昇した。製造業の海外需給も1ポイント上昇しており、内外需要ともに堅調さがうかがわれる。
一方、先行きについては、国内需給は製造業が2ポイント、非製造業は1ポイント低下しており、やや慎重な見方が優勢に。一方、製造業の海外需給は横ばいが見込まれている。
中小企業の国内需給については、製造業が前回から4ポイント上昇、非製造業は1ポイント上昇とともに改善した。製造業の海外需給も4ポイント上昇と改善がみられる。
先行きについては、国内需給は製造業、非製造業ともに3ポイント低下、製造業の海外需給も1ポイントの低下が見込まれており、大企業よりも慎重な見方となっている(図表4)。
(価格判断:製造業を中心に価格引き上げの動きも)
大企業製造業の販売価格判断D.I. (上昇-下落)は前回から3ポイント上昇、非製造業は横ばいとなった。仕入価格判断D.I.は製造業で7ポイント上昇、非製造業でも2ポイント上昇しており、差し引きであるマージンはともに悪化している。原料高等に伴う仕入価格の上昇や人手不足に伴う人件費上昇分が製造業では一部製品価格に転嫁された形に。
販売価格判断D.I.の3ヵ月後の先行きは、製造業が横ばい、非製造業が1ポイント上昇している。仕入価格判断D.I.の先行きが製造業で4ポイント低下、非製造業で横ばいに留まっていることから、強い値上げ意欲はうかがわれない(図表5)。
中小企業の販売価格判断D.I.は製造業で3ポイント上昇、非製造業でも1ポイント上昇した。仕入価格判断D.I.は製造業で7ポイント上昇、非製造業では横ばいとなっており、製造業では一部販売価格に転嫁されたものの、マージンが圧迫されている。
先行きの販売価格判断D.I.は、製造業が3ポイント上昇、非製造業が1ポイント上昇しているが、仕入価格判断D.I.もそれぞれ3ポイント、4ポイント上昇している。中小企業では、先行きのコスト増加への警戒感が強く、防衛的に値上げせざるを得ないとの見通しが示されている。
大企業製造業の販売価格判断D.I. (上昇-下落)は前回から3ポイント上昇、非製造業は横ばいとなった。仕入価格判断D.I.は製造業で7ポイント上昇、非製造業でも2ポイント上昇しており、差し引きであるマージンはともに悪化している。原料高等に伴う仕入価格の上昇や人手不足に伴う人件費上昇分が製造業では一部製品価格に転嫁された形に。
販売価格判断D.I.の3ヵ月後の先行きは、製造業が横ばい、非製造業が1ポイント上昇している。仕入価格判断D.I.の先行きが製造業で4ポイント低下、非製造業で横ばいに留まっていることから、強い値上げ意欲はうかがわれない(図表5)。
中小企業の販売価格判断D.I.は製造業で3ポイント上昇、非製造業でも1ポイント上昇した。仕入価格判断D.I.は製造業で7ポイント上昇、非製造業では横ばいとなっており、製造業では一部販売価格に転嫁されたものの、マージンが圧迫されている。
先行きの販売価格判断D.I.は、製造業が3ポイント上昇、非製造業が1ポイント上昇しているが、仕入価格判断D.I.もそれぞれ3ポイント、4ポイント上昇している。中小企業では、先行きのコスト増加への警戒感が強く、防衛的に値上げせざるを得ないとの見通しが示されている。
4.売上・利益計画: 2018年度収益は小幅な増収・減益計画に
17 年度収益計画(全規模全産業)は、売上高が前年度比3.5%増(前回は3.1%増)、経常利益は7.1%増(前回は4.3%増)へとそれぞれ上方修正された。年度末にかけて内外需要が総じて堅調に推移したことが影響した。想定為替レートはもともと保守的(円高ぎみ)に設定されていたため、今年に入ってからの円高は収益の下方修正に繋がらなかった。
17年度想定為替レート(大企業製造業)は110.67円(上期110.95円、下期110.40円)と、前回の110.18 円から小幅に円安方向へ修正された。足元の為替レートは110円を大きく下回っているが、昨年度平均の実績は110.84円であり、前回調査時点の想定為替レートよりもやや円安であったためである。
また、今回から集計・公表された18 年度収益計画(全規模全産業)は、売上高が前年比1.0%増、経常利益が1.5%減となった。減益計画ではあるが小幅であり、堅調な収益計画と言えるだろう。
ただし、18年度想定為替レート(大企業製造業)は109.66 円(上期109.63円、下期109.68円)と、足下の実勢よりも3円余り円安水準に設定されている。最近の大幅な円高は織り込まれていないため、今後も現状並みで為替が推移した場合には、収益計画の下方修正要因になる。
なお、米保護主義の動きに関しても、十分な警戒こそ要するものの、今のところ貿易戦争への発展が確実視されている状況でもなく、収益計画には織り込まれていないようだ。
17年度想定為替レート(大企業製造業)は110.67円(上期110.95円、下期110.40円)と、前回の110.18 円から小幅に円安方向へ修正された。足元の為替レートは110円を大きく下回っているが、昨年度平均の実績は110.84円であり、前回調査時点の想定為替レートよりもやや円安であったためである。
また、今回から集計・公表された18 年度収益計画(全規模全産業)は、売上高が前年比1.0%増、経常利益が1.5%減となった。減益計画ではあるが小幅であり、堅調な収益計画と言えるだろう。
ただし、18年度想定為替レート(大企業製造業)は109.66 円(上期109.63円、下期109.68円)と、足下の実勢よりも3円余り円安水準に設定されている。最近の大幅な円高は織り込まれていないため、今後も現状並みで為替が推移した場合には、収益計画の下方修正要因になる。
なお、米保護主義の動きに関しても、十分な警戒こそ要するものの、今のところ貿易戦争への発展が確実視されている状況でもなく、収益計画には織り込まれていないようだ。
(2018年04月02日「Weekly エコノミスト・レター」)
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03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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