- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融政策 >
- 日銀短観(3月調査)予測~大企業製造業の業況判断D.I.は2ポイント下落の24と予想
2018年03月20日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■要旨
- 3月調査短観では、大企業製造業・非製造業ともに景況感の小幅な悪化が示されると予想する。前回調査以降、企業への逆風は強まっている。世界的に金融市場が不安定化したことなどから大幅な円高が進行し、製造業を中心に輸出採算が悪化している。非製造業でも、大雪や野菜価格の高騰、株価の下落などが消費関連業種の収益を圧迫したと考えられる。海外経済の回復を受けて、輸出(数量)やインバウンド需要は底固さを維持しているほか雇用の回復も続いており、景気回復基調が途絶えたわけではないため、景況感の大幅な悪化は避けられるものの、前回調査からは弱含む可能性が高い。中小企業も大企業同様、景況感が小幅に悪化するだろう。
- 先行きの景況感は幅広く悪化が示されると予想する。金融市場の動揺は未だ完全に収まっておらず、今後の円高・株安進行に対する企業の警戒感は根強い。さらに、最近の米トランプ政権は保護主義的な動きを強めており、報復合戦に伴う貿易戦争勃発さえも懸念される状況にある。輸出関連企業のみならず、消費・サービス関連企業もインバウンドを通じて海外経済の影響を受けやすくなっているだけに、幅広く先行きへの懸念がはっきりと現れると見ている。
- 2017年度の設備投資計画は、良好な企業収益を受けて底固い計画が示されそうだ。一方で、今回から新たに調査・公表される2018年度計画は、円高の進行や米保護主義への警戒等を受けて、近年の3月調査での伸び率をやや下回る慎重な計画が示されると見ている。
- 今回の注目点は、先行きの景況感がどこまで悪化するか?18年度設備投資計画では慎重な計画が示されるのか?企業の値上げの動きは活発化するのか?という点だ。これらは、今後の日本経済・物価の先行きを占ううえで、重要なヒントになるだろう。
■目次
3月短観予測:企業の景況感は弱含み、先行き懸念は増大か
・大企業製造業・非製造業ともに景況感は小幅悪化と予想
・注目ポイント:先行きの景況感、18年度設備計画、値上げの動き
・日銀金融政策への影響は限定的
3月短観予測:企業の景況感は弱含み、先行き懸念は増大か
・大企業製造業・非製造業ともに景況感は小幅悪化と予想
・注目ポイント:先行きの景況感、18年度設備計画、値上げの動き
・日銀金融政策への影響は限定的
(2018年03月20日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/21 | 円相場に漂う不気味な気配~マーケット・カルテ4月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/03/21 | 資金循環統計(24年10-12月期)~個人金融資産は2230兆円と前年比86兆円増加も実質では前年割れ、定期預金が純流入に | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/19 | 日銀短観(3月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは2ポイント低下の12と予想、トランプ関税の影響度に注目 | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/03/07 | 長期金利の上昇は続くのか?~16年ぶり1.5%到達後の金利見通し | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年03月21日
東南アジア経済の見通し~景気は堅調維持、米通商政策が下振れリスクに -
2025年03月21日
勤務間インターバル制度は日本に定着するのか?~労働時間の適正化と「働きたい人が働ける環境」のバランスを考える~ -
2025年03月21日
医療DXの現状 -
2025年03月21日
英国雇用関連統計(25年2月)-給与(中央値)伸び率は5.0%まで低下 -
2025年03月21日
宇宙天気現象に関するリスク-太陽フレアなどのピークに入っている今日この頃
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【日銀短観(3月調査)予測~大企業製造業の業況判断D.I.は2ポイント下落の24と予想】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
日銀短観(3月調査)予測~大企業製造業の業況判断D.I.は2ポイント下落の24と予想のレポート Topへ