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また、厚生労働省の報道資料によると、平成29年9月15日時点の百歳以上の高齢者は67,824人で、男性8,197人、女性59,627人と女性が87.9%を占める。今年度中に百歳に到達する(見込みを含む)人は32,097人、東京都が2,720人と最多だ。『百歳高齢者表彰』が始まった昭和38年の百歳以上の高齢者はわずか153人だが、昭和56年に千人を、平成10年に1万人を、平成24年に5万人を超え、わが国は急速に超長寿社会へと突き進んでいる。
このような長寿時代を迎え、政府は先日、人生100年時代を見据えた『人づくり革命』を検討する『人生100年時代構想会議』を立ち上げた。ここでは長くなった高齢期の対応にとどまらず、長寿化した人生を全うするための教育、雇用、社会保障などのあり方について議論するという。年金財源が制限される中、今後一層長く働き続けることが不可欠だが、長くなる職業生活には新たな職業スキルが必要となり、人生という階段の“踊り場”で学び直すリカレント教育の重要性が高まるだろう。
前述の総務省資料では、平成28年の高齢者の就業者は770万人と過去最多で、13年間連続で増加している。高齢者の就業率は男性30.9%、女性15.8%、対前年比で5年連続上昇しており、主要国の中でも最も高い。また、平成28年の高齢者世帯の1世帯当たりの貯蓄現在高は2,394万円で、近年は「定期性預貯金」が減少し「通貨性預貯金」が増加、全体としては減少傾向にある。長寿化により延びる高齢期の生活のために、高齢期も働いたり貯蓄を取り崩したりする高齢者の姿が思い浮かぶ。
日本人の平均寿命は男性も女性も世界トップレベルだ。やがて人生100年時代が訪れることも夢ではない。しかし、超長寿時代を生き抜くための社会構想は課題が山積だ。医学的に100年生きられるとしても、社会経済的に支える仕組みがなければ幸せには生きられない。今日100歳を迎えることができたお年寄りは多くの子どもや孫に恵まれた方も多いが、今後の長寿時代は単身世帯が増大する。拡がる単身社会で「人生100年時代」を生き抜くことは、今以上に大変なことになるかもしれない。
(参考)研究員の眼『男性高齢者の「七五三」~「超高齢社会」生き抜く小さなヒント』(2016年9月27日)
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土堤内 昭雄
研究・専門分野
(2017年09月26日「研究員の眼」)
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