- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 貿易統計17年8月~米国向けを中心に輸出数量の伸びが急加速
2017年09月20日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1.輸出数量の伸びが急加速
財務省が9月20日に公表した貿易統計によると、17年8月の貿易収支は1,136億円と3ヵ月連続の黒字となり、ほぼ事前の市場予想(QUICK集計:1,200億円、当社予想は1,087億円)通りの結果となった。円安の影響で輸出入ともに高い伸びとなったが、輸出の伸び(前年比18.1%)が輸入の伸び(前年比15.2%)を上回ったため、貿易収支は前年に比べ1,483億円の改善となった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比10.4%(7月:同2.6%)、輸出価格が前年比7.0%(7月:同10.5%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比2.4%(7月:同3.2%)、輸入価格が前年比12.5%(7月:同12.7%)であった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比10.4%(7月:同2.6%)、輸出価格が前年比7.0%(7月:同10.5%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比2.4%(7月:同3.2%)、輸入価格が前年比12.5%(7月:同12.7%)であった。
季節調整済の貿易収支は3,673億円の黒字となり、7月の3,631億円とほぼ同水準となった。輸出、輸入ともに前月比1.2%の増加となった。
2.米国向けの輸出が急加速
8月の輸出数量指数を地域別に見ると、米国向けが前年比18.1%(7月:同3.0%)、EU向けが前年比2.9%(7月:同▲1.0%)、アジア向けが前年比9.4%(7月:同1.9%)となった。いずれの地域向けも前月から伸びが高まったが、特に米国向けが自動車輸出(数量)の急回復(7月:前年比1.7%→8月:同22.2%)を主因として伸びを大きく高めた。商品別には、17年に入ってから鈍化傾向が続いていたIT関連が持ち直し、3ヵ月ぶりに前年比で二桁の伸びとなった。
輸出数量指数を季節調整値(当研究所による試算値)で見ると、米国向けが前月比3.4%(7月:同▲1.9%)、EU向けが前月比1.7%(7月:同▲4.4%)、アジア向けが前月比6.9%(7月:同▲2.2%)、全体では前月比3.2%(7月:同▲0.0%)となった。7、8月の平均を4-6月期の水準と比較すると、EU向けは▲3.5%低いが、米国向けは2.4%、アジア向けは1.4%高く、全体では1.6%上回っている。
一方、8月の輸入数量指数(当研究所による季節調整値)は前月比▲0.1%(7月:同▲1.0%)となり、7、8月の平均は4-6月期を▲0.6%下回った。
4-6月期のGDP統計では財貨・サービスの輸出が前期比▲0.5%と4四半期ぶりに減少する一方、内需の堅調を反映し輸入が前期比1.4%の増加となったため、外需寄与度が前期比▲0.3%のマイナスとなった。7-9月期は輸出が増加に転じる一方、輸入の伸びが低下することから、外需寄与度は明確なプラスとなる可能性が高いだろう。
輸出数量指数を季節調整値(当研究所による試算値)で見ると、米国向けが前月比3.4%(7月:同▲1.9%)、EU向けが前月比1.7%(7月:同▲4.4%)、アジア向けが前月比6.9%(7月:同▲2.2%)、全体では前月比3.2%(7月:同▲0.0%)となった。7、8月の平均を4-6月期の水準と比較すると、EU向けは▲3.5%低いが、米国向けは2.4%、アジア向けは1.4%高く、全体では1.6%上回っている。
一方、8月の輸入数量指数(当研究所による季節調整値)は前月比▲0.1%(7月:同▲1.0%)となり、7、8月の平均は4-6月期を▲0.6%下回った。
4-6月期のGDP統計では財貨・サービスの輸出が前期比▲0.5%と4四半期ぶりに減少する一方、内需の堅調を反映し輸入が前期比1.4%の増加となったため、外需寄与度が前期比▲0.3%のマイナスとなった。7-9月期は輸出が増加に転じる一方、輸入の伸びが低下することから、外需寄与度は明確なプラスとなる可能性が高いだろう。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2017年09月20日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
斎藤 太郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/30 | 2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~ | 斎藤 太郎 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/04/30 | 鉱工業生産25年3月-1-3月期は4四半期ぶりの減産、トランプ関税の影響で4月以降も低迷が続く見込み | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/18 | 消費者物価(全国25年3月)-コアCPI上昇率は25年度入り後も3%台が続く公算 | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/17 | 貿易統計25年3月-1-3月期の外需寄与度は前期比▲0.6%程度のマイナス、4月以降の輸出の落ち込みは不可避 | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年05月01日
日本を米国車が走りまわる日-掃除機は「でかくてがさつ」から脱却- -
2025年05月01日
米個人所得・消費支出(25年3月)-個人消費(前月比)が上振れする一方、PCE価格指数(前月比)は総合、コアともに横這い -
2025年05月01日
米GDP(25年1-3月期)-前期比年率▲0.3%と22年1-3月期以来のマイナス、市場予想も下回る -
2025年05月01日
ユーロ圏GDP(2025年1-3月期)-前期比0.4%に加速 -
2025年04月30日
2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【貿易統計17年8月~米国向けを中心に輸出数量の伸びが急加速】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
貿易統計17年8月~米国向けを中心に輸出数量の伸びが急加速のレポート Topへ