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ふるさと納税における競争は年々激化する-抜け道を完全に封鎖できるか?
基礎研REPORT(冊子版)9月号

金融研究部 主任研究員・年金総合リサーチセンター・ジェロントロジー推進室・サステナビリティ投資推進室兼任 高岡 和佳子
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今年の4月に、寄附額に対する返礼品の調達価格を3割以下とするよう、総務大臣通知が出されたことは、御存知の方も多いだろう。では、この通知において、ふるさと納税制度の趣旨に反する返礼品として、「ふるさと納税事業を紹介する事業者等が付与するポイント」が例示されたことは御存知だろうか。実は、都農町の躍進はこの例示と大きく関係している。
某大手ECサイトとの仕組みが功を奏し、都農町には多くの寄附金が集まったと考えられる。そのECサイトからふるさと納税を行うと、返礼品とは別に、ECサイトで利用可能なポイント(寄附額の10%分)が貰える仕組みだ。以前から、返礼品の価格の割合を表示することも、金銭類似性の高いポイントを返礼品とすることも、納税制度の趣旨に反する行為として明示されている。しかし、いずれも返礼品に関する記述であって、ふるさと納税事業を紹介する事業者等が付与するポイントについては、なんら言及されていなかった。某大手ECサイトと都農町など一部の市区町村はこの隙を突いたのだ。
先月、ふるさと納税事業を紹介する某事業者が、別の大手ECサイトで利用可能なギフト券を1,000円分プレゼントするキャンペーンを行っていた。「ふるさと納税事業を紹介する事業者等が付与するポイント」ではなく、「ふるさと納税事業を紹介する事業者が贈呈する他のECサイトで利用可能なギフト券」というのが、新たな抜け道なのだろうか。
(2017年09月07日「基礎研マンスリー」)

03-3512-1851
- 【職歴】
1999年 日本生命保険相互会社入社
2006年 ニッセイ基礎研究所へ
2017年4月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
高岡 和佳子のレポート
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