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景気ウォッチャー調査(17年7月)~盛夏商材の売れ行きが好調も、九州北部豪雨の影響で景況感は小幅の悪化~
白波瀨 康雄
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3.景気の先行き判断DI(季節調整値):4ヵ月ぶりの悪化も、節目となる50は上回る。
企業動向関連では、「企業の業績改善を背景に、設備投資は増加傾向となっている。さらに、設備投資の中身はこれまでの維持補修関係の投資から、増産や合理化のための投資にシフトしつつある。ただし、賃金上昇や人手不足が引き続きの課題となっており、働き方改革を中心とした人材への投資が急務である」(北陸・一般機械器具製造業)や「化粧品容器、医療品容器の新規案件が引き続き入ってきているため、2~3か月後の完成を目指して設備投資に踏み切ったところである」(南関東・プラスチック製品製造業)など、増産や生産性向上に向けた設備投資に言及するコメントがみられた。一方で、「受注案件はあるものの、人手不足が解消されないため、仕事量の調整などの対応に苦慮している」(東北・金属工業協同組合)や「10月に最低賃金の見直しがあるので、人件費が高騰する。人手不足も重なり、募集単価の上昇が見込まれるが、既存の契約単価が上がらないので厳しくなる」(南関東・その他サービス業[ビルメンテナンス])など、人手不足やそれに伴う人件費高騰を懸念するコメントがみられた。
雇用関連では、「人材不足を背景に、依頼内容を緩和したり職場環境の改善で定着を高めるなど、求職者にとって魅力的な材料が増えてきており、成約数の伸びが期待される」(南関東・人材派遣会社)や「人手不足感がより一層強まり、求人条件を見直す事業所も増えてきている。少しずつではあるが、労働条件の改善が見受けられる」(東海・職業安定所)など、人手不足が深刻化するなか人材を確保するため、求人条件を見直す企業が増えてきているようだ。
景況感は2017年度に入り、持ち直しの動きがみられる。先行きについても、これ以上の改善は期待できないという慎重な姿勢がみられるものの、設備投資の回復が期待できることに加え、人手不足が深刻化するなか人材確保に向けて求人条件を見直すなど雇用所得環境の改善が一段と期待できる。一方で、九州北部豪雨の影響は徐々に剥落していくだろうが、依然避難生活を送っている住民も多く、復旧作業は十分に進んでいないことから、今後も景況感改善の重しになるだろう。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2017年08月09日「経済・金融フラッシュ」)
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