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年金改革ウォッチ 2017年8月号~ポイント解説:新しい将来推計人口(2017年推計)
保険研究部 主席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査部長 兼任 中嶋 邦夫
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1 ―― 先月までの動き
7月31日(第1回) 平成26年財政検証における経済前提の設定等 ほか
URL http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000173089.html (配付資料)
2 ―― ポイント解説:新しい将来推計人口(2017年推計)
1|将来推計人口の概要:約100年後の総人口は、前回推計より約25%増加
将来推計人口は、人口変化に関係する諸要因の過去からの傾向を、将来にむけて当てはめて計算されるものです。将来は不確実なため、出生と死亡についてそれぞれ高位・中位・低位の3通りずつ計9通りの見通しが示されていますが、本稿では出生と死亡がともに中位の場合の結果を見ていきます。日本の総人口は、2015年の国勢調査では1億2709万人でしたが、1970年代から続く少子化の影響で、100年後(2115年)には5056万人へ減少する見込みです。ただし、近年の出生率の上昇や長寿化の継続により、前回(2012年)の推計と比べると、約100年後(2110年)*1の総人口は25%増加する見通しです。
2|現役世代の見通し:少子化傾向がやや緩和。約100年後の現役世代は、前回推計より約3割増加
このように、現役世代と引退世代の双方が前回の推計と比べて増加する見通しですが、年金財政を考える際には両者のバランスが重要です。生産年齢人口÷老年人口(引退世代1人を何人の現役世代で支えるか*2)を計算すると、2015年は2.28人ですが、100年後には1.33人に減ります。前回の推計では約100年後に1.20人だったのでそれよりは少し改善していますが、依然として厳しい状況です。近年の出生率の改善は喜ばしい傾向ですが、長期的な観点からは、すでに数十年続いている少子化の影響が今後も続くことに、注意が必要です。
*1 将来推計人口は、本推計で直近の国勢調査の50年後、参考推計で同100年後まで推計される。国勢調査は5年ごとに実施されるため、前回推計と比較できるのは同95年後までとなる。本稿では95年後を「約100年後」と称する。
*2 あくまで人口の面から計算した値。年金財政を考える際には、高齢者の就業状況なども考慮する必要がある。
(2017年08月01日「保険・年金フォーカス」)
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03-3512-1859
- 【職歴】
1995年 日本生命保険相互会社入社
2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
(2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)
【社外委員等】
・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)
【加入団体等】
・生活経済学会、日本財政学会、ほか
・博士(経済学)
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