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女性医療の現状(前編)-無理なダイエットは、高齢期にどのような影響をもたらすか?
![](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/30_ext_01_0.jpeg?v=1710402342)
保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
日本では、高齢化が進む中で、高齢者への医療のあり方が問われている。非効率なサービスや、財政の逼迫など、保険を含めた医療制度の改革は、喫緊の課題となっている。高齢者を男女別に見ると、年齢が進むに連れて、女性の割合は高くなる。従って、高齢者への医療は、主に、高齢女性への医療と見ることができる。
一方、日本では、晩婚化や晩産化も進んでいる。これらは、結婚、妊娠、出産を軸とした、女性の健康や医療にも、密接に関係している。
これまで、女性医療は、産婦人科などとして、医学における確立した専門分野とされてきた。ただし、その内容は、高度なものが多く、医療関係者ではない一般の人が理解することは、必ずしも容易ではない。
このような状況を踏まえて、本稿と次稿の2回に分けて、女性医療の現状と、それを巡る様々な動きを、紹介していくこととしたい。
なお、あらかじめ述べると、筆者は、医療関係者ではない。これまで、女性医療の知識は乏しかった。そのため、稿の執筆にあたり、基礎的な部分から、諸資料を閲覧することとなった。本稿と次稿が、女性医療に、あまりなじみのない男性を中心に、読者の関心と理解を深める一助となれば幸いである。
■目次
0――はじめに
1――女性医療の重要性の高まり- 女性のライフサイクルの理解
1|高齢者への医療は、高齢女性への医療と見ることができる
2|女性のライフスタイルの多様化により、女性医療の重要性が高まっている
3|女性のライフサイクルに従って、各ステージに特徴的な疾患がある
4|月経周期は4つの期のサイクルからなる
5|女性ホルモンには、主に、卵胞ホルモンと、黄体ホルモンの2種類がある
2――胎児・乳児・幼児期~思春期
1|女性の思春期には、生殖機能の獲得と骨量の増加が見られる
2|月経の確立とともに、それに伴う症状が見られるようになる
3|女性は20歳頃に、最大骨量を獲得する
4|月経周期が短かったり、長かったりすると、月経不順とされる
5|月経困難症が生じる場合もある
6|月経前症候群が生じる場合がある
7|月経前不快気分障害に至る場合もある
8|思春期には、摂食障害を患うケースがある
3――性成熟期
1|思春期から性成熟期にかけて、女性は貧血になりやすい
2|月経周期を整えるために、ピルが活用されることがある
3|女性は下腹部痛を患うケースが多い
4|子宮内膜症は、発症当初から治療が開始されるようになってきている
5|不妊治療を受ける人が増加している
6|乳がんの罹患率は、20歳代から年齢とともに急増する
7|子宮頸がんは、若齢期に発症しやすく、早期発見が重要となる
8|HPVワクチンは、積極的な接種勧奨が中止されている
(参考) 女性アスリートの無月経や月経異常
4――女性のがん検診
1|乳がん検診は受診率が低い
2|子宮がん検診も受診率が低い
5――妊娠・出産に関連する疾病等
1|妊娠中の投薬・検査には制限がある
2|妊娠中の急性腹症には緊急性が高いものがある
3|出産後には、女性ホルモンの急激な変化により、
産後精神障害が生じる場合がある
4|妊娠負荷試験は、将来の生活習慣病のバロメーターとなる
5|生活習慣病は、胎児期に由来するという説 (DOHaD説) がある
6――おわりに
(2017年07月28日「基礎研レポート」)
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保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
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