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災害時のトリアージの現状-救急医療の現状と課題 (後編)
 
                                                保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
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前稿では、平時の救急医療の現状と課題について、紹介した。救急救命士による救急搬送と救急救命処置の現状や、メディカルコントロール体制、救急車利用の適正化などについて、見ていった。
本稿では、災害時の救急医療である、災害医療について概観していく。具体的には、災害医療体制について、現状を俯瞰する。その上で、災害医療の特徴である、トリアージについて紹介するとともに、いくつかの課題について述べていくこととしたい。近年、頻発する自然災害や、海外で続発するテロ等の人為災害に対して、被災地の災害医療のあり方が問われている。本稿を通じて、読者に、災害医療への関心を高めていただければ幸いである。
■目次
0――はじめに
1――災害医療とは
1|災害にはいくつかの種類がある
2|災害時には、集団医療が必要となる
3|災害医療は平時の救急医療とは異なる点が多い
2――整備が進みつつある災害医療体制
1|「広域災害・救急医療情報システム」の整備が進んでいる
2|災害拠点病院の整備が進んでいる
3|緊急消防援助隊による広域搬送システムが確立されている
4|救急医療チームとして、DMATやJMATなどが整備されている
3――災害派遣医療チーム の編成
1|災害発生時には、災害派遣医療チーム (DMAT) が編成される
2|大規模災害時には、広域医療搬送を行うDMATも編成される
3|DMATの拡充が期待される
4――災害医療の教育・訓練
1|防災訓練を通じて、防災・減災意識の高まりが期待される
2|トリアージの実施には、教育・訓練が欠かせない
5――トリアージの必要性
1|トリアージは、「最大多数に対する最大幸福の達成」を目指して行われる
2|トリアージでは、正確性と迅速性を両立させることが必要
3|トリアージは、トリアージオフィサーが行う
4|トリアージの際は、トリアージタッグが装着される
6――トリアージの実務
1|現場でのトリアージでは、応急処置や病院搬送の優先順位を決める
2|病院でのトリアージでは、病院前での受け入れ、手術、入院等について
優先順位を決める
3|トリアージには、一次、二次の種類がある
7――トリアージの課題
1|黒色タッグの判断は行いにくい
2|トリアージタッグに判断理由等の記録を、十分に書き残すことは困難
3|トリアージ区分は4つしかないため、同じ判定の傷病者でも優先度が
大きく異なることがある
4|トリアージは軍隊を起源としていて、一般市民には、なじまないとの見方もある
5|トリアージは法的課題が未解決となっている
8――おわりに (私見)
(2016年08月03日「基礎研レポート」)
 
                                        保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
                                研究・専門分野
                                保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
                            
03-3512-1823
- 【職歴】
 1992年 日本生命保険相互会社入社
 2014年 ニッセイ基礎研究所へ
 【加入団体等】
 ・日本アクチュアリー会 正会員
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