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- 【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(5月号)~輸出は5ヵ月連続の二桁増を記録
2017年05月11日
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17年3月のASEAN主要6カ国の輸出(ドル建て通関ベース)は前年同月比14.7%増と、前月の同12.6%増から小幅に上昇した(図表1)。輸出は16年初から資源価格の底打ちで緩やかに持ち直しに向かい、年後半には海外需要の増加を受けて一次産品や半導体を中心に一段と加速、現在は5ヵ月連続の二桁増を記録している。先行きの輸出は当面高水準を維持するだろうが、これまで輸出を押し上げていた価格上昇の要因が剥落するとともに主要貿易相手の中国で不動産抑制策が導入されるなか、輸出の伸びは年末までには一桁台に鈍化していくものと予想する。
なお、ASEAN5カ国の仕向け地別の輸出動向を見ると、東アジア・東南アジア向けと欧州向けが一段と増加するとともに、昨年後半から伸び悩んでいた米国向けが再び勢いを取り戻しつつある(図表2)。
なお、ASEAN5カ国の仕向け地別の輸出動向を見ると、東アジア・東南アジア向けと欧州向けが一段と増加するとともに、昨年後半から伸び悩んでいた米国向けが再び勢いを取り戻しつつある(図表2)。
タイの17年3月の輸出額は前年同月比9.2%増と、前年の金輸出の急増からの反動減で一時的に落ち込んだ前月の同2.8%減から上昇し、2ヵ月ぶりのプラスとなった。輸出の伸びは上下に大きな振れを伴いながら、16年の資源価格の上昇と半導体需要の増加、中国向け・ASEAN向けのゴム製品と石油製品の輸出増などを受けて回復基調が鮮明になっている。一方、輸入額は前年同月比19.3%増と、前月の同20.4%増から小幅に低下した。結果、貿易収支は16.2億ドルの黒字となり、前月から0.1億ドル黒字が拡大した(図表3)。
輸出を品目別に見ると、全体の約8割を占める主要工業製品は同8.7%増と、前月の同5.9%減から大きく上昇した(図表4)。工業製品の内訳を見ると、好調の続く電子機器(同19.5%増)と家電製品(同13.4%増)が一段と上昇したほか、機械・装置(同7.6%増)や主力の自動車・部品(同5.3%増)、石油化学製品(同8.4%増)も持ち直した。また農産品・加工品は同7.3%増(前月:同10.1%増)と、コメ(同5.0%減)や砂糖(同5.3%減)の落ち込みが響いて低下したものの、ゴム(同95.4%増)とゴム製品(58.6%増)は依然として好調で高めの伸びを維持した。さらに、鉱業・燃料も同44.9%増(前月:同28.9%増)と再び上昇し、石油製品を中心に二桁増の高い伸びが続いている。
輸出を品目別に見ると、全体の約8割を占める主要工業製品は同8.7%増と、前月の同5.9%減から大きく上昇した(図表4)。工業製品の内訳を見ると、好調の続く電子機器(同19.5%増)と家電製品(同13.4%増)が一段と上昇したほか、機械・装置(同7.6%増)や主力の自動車・部品(同5.3%増)、石油化学製品(同8.4%増)も持ち直した。また農産品・加工品は同7.3%増(前月:同10.1%増)と、コメ(同5.0%減)や砂糖(同5.3%減)の落ち込みが響いて低下したものの、ゴム(同95.4%増)とゴム製品(58.6%増)は依然として好調で高めの伸びを維持した。さらに、鉱業・燃料も同44.9%増(前月:同28.9%増)と再び上昇し、石油製品を中心に二桁増の高い伸びが続いている。
マレーシアの17年3月の輸出額は前年同月比13.7%増と、前月の同19.1%増から低下したものの、3ヵ月連続の二桁増を記録した。輸出の伸び率は16年初に資源価格が上昇に転じてから持ち直し、また16年後半には主力の電気電子製品も増加に転じ、回復基調が鮮明になっている。一方、輸入額も前年同月比27.7%増と、前月の同20.2%増から上昇した。結果、貿易収支は12.2億ドルの黒字と、前月から7.5億ドル黒字が縮小した(図表5)。
輸出を品目別に見ると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器は同9.2%増と、前月の同13.7%増から低下したものの、主力の電気・電子製品(同11.1%増)を中心に高めの伸びを維持した(図表6)。また動植物性油脂は同12.0%増も前月の同52.2%増から鈍化したものの、価格が上昇したパーム油・同製品(同14.8%増)を中心に5ヵ月連続の二桁増となった。このほか、製造品は同2.1%増(前月:同3.6%増)と若干低下した。一方、鉱物性燃料は同32.0%増(前月:同25.7%増)と、価格ベースと数量ベースがそれぞれ拡大して上昇した。
輸出を品目別に見ると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器は同9.2%増と、前月の同13.7%増から低下したものの、主力の電気・電子製品(同11.1%増)を中心に高めの伸びを維持した(図表6)。また動植物性油脂は同12.0%増も前月の同52.2%増から鈍化したものの、価格が上昇したパーム油・同製品(同14.8%増)を中心に5ヵ月連続の二桁増となった。このほか、製造品は同2.1%増(前月:同3.6%増)と若干低下した。一方、鉱物性燃料は同32.0%増(前月:同25.7%増)と、価格ベースと数量ベースがそれぞれ拡大して上昇した。
インドネシアの17年3月の輸出額は前年同月比23.6%増と、前月の同11.2%増から上昇した。輸出は16年初の原油価格の底打ちを受けて緩やかに持ち直し、年後半には数量ベースでも増加に転じて一段と上昇、伸び率は5ヵ月連続の二桁増が続いている。一方、輸入額も前年同月比18.2%増と、前月の同10.6%増から上昇した。結果、貿易収支は12.3億ドルの黒字と、前月から0.3億ドル黒字が縮小した(図表7)。
輸出を品目別に見ると、まず石油ガスが同19.5%増(前月:同7.6%増)と、原油・ガスの価格上昇を受けて再び二桁増となった(図表8)。次に非石油ガスを見ると、輸出全体の7割を占める製造品は同22.0%増(前月:同12.2%増)と、ゴム製品が好調で上昇した。また鉱業品も同40.0%増(前月:同5.5%増)と、鉄鉱石を中心に大きく上昇した。一方、農産品は同28.1%増と、前月の同30.5%増から小幅に低下した。
輸出を品目別に見ると、まず石油ガスが同19.5%増(前月:同7.6%増)と、原油・ガスの価格上昇を受けて再び二桁増となった(図表8)。次に非石油ガスを見ると、輸出全体の7割を占める製造品は同22.0%増(前月:同12.2%増)と、ゴム製品が好調で上昇した。また鉱業品も同40.0%増(前月:同5.5%増)と、鉄鉱石を中心に大きく上昇した。一方、農産品は同28.1%増と、前月の同30.5%増から小幅に低下した。
(2017年05月11日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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