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損失抑制に向けたDB運用-国内債券の保険的な役割の有効性や必要性を踏まえて

金融研究部 企業年金調査室長 年金総合リサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 梅内 俊樹
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日銀の金融緩和政策がイールドカーブ・コントロールの導入によって大きく転換されるなか、市場金利の動きは、導入前と異なることが想定される。最も大きな変化は、10年国債金利の変動がかなり狭い範囲に限られる可能性が高まったことであり、マイナス金利の拡大の可能性が大きく後退したことであろう。こうした中、他の資産で生じる損失の一部を相殺する国内債券に求められてきた機能は大きく低下している。年金財政や会計上の負債に対する積立不足の発生や拡大を効果的に抑える観点も踏まえると、当面は、残存10年超の債券を重視する国内債券運用が求められる。他方、金利上昇にも備えることも重要だ。その上では、市場環境に応じて機動的にデュレーションを調整できる態勢を整えることも必要だろう。こうした機動性の確保は、国内債券の損失抑制という保険的な機能を補う上でも、積極的に検討されるべきである。
■目次
1――転機を迎えるDB運用
2――金融緩和政策で変わるイールドカーブの推移
3――大きく低下する国内債券の保険的な機能や役割
1|他の資産で生じる損失穴埋め機能
2|年金財政上の負債をヘッジする役割
3|会計上の負債をヘッジする役割
4――機動的なデュレーション調整の必要性
(2017年04月28日「基礎研レポート」)

03-3512-1849
- 【職歴】
1988年 日本生命保険相互会社入社
1995年 ニッセイアセットマネジメント(旧ニッセイ投信)出向
2005年 一橋大学国際企業戦略研究科修了
2009年 ニッセイ基礎研究所
2011年 年金総合リサーチセンター 兼務
2013年7月より現職
2018年 ジェロントロジー推進室 兼務
2021年 ESG推進室 兼務
梅内 俊樹のレポート
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