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2017年02月13日
技術革新が進む「障害者自立支援機器等」の開発-シーズ・ニーズのマッチングを促進する重要な取組-
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1――厚生労働省の「障害者自立支援機器等開発促進事業」
「シーズ・ニーズマッチング交流会」の東京会場では、2016(平成28)年度の開発助成を受けた企業の開発機器に加え、過去の事業で開発・改良された機器群が多数展示され、説明やデモが実施されていた。また、実際に様々な自立支援機器を試用することが可能で、筆者も使用実感を得ながら各機器への理解を深めることができた。会場のあちらこちらで、車いすで来場している直接のユーザーや福祉施設関係者と推察される各種機器を使う側の人々が、開発企業側の機器解説に聞き入り、様々な質問をしたり、機器の仕様、使い勝手などについて熱心に議論する交流シーンが繰り広げられていた。
現在、筆者が調査・研究の対象としている介護ロボットについても言えることだが、開発段階において多くのユーザーの本音のニーズを開発側に十分に伝えられる機会が予想外に少ない。その点でこの交流会では、来場のユーザー側は、一定の時間をかけて開発企業のデモや説明を受け、さらに試用を通じて支援機器を理解し、その上で開発企業と深い意見交換をすることが可能である。このことは開発企業にとっても、ユーザー側にとっても有意義な意見交換が可能な場として、筆者は非常に重要かつ価値のある「交流会」であると感じている。
現在、筆者が調査・研究の対象としている介護ロボットについても言えることだが、開発段階において多くのユーザーの本音のニーズを開発側に十分に伝えられる機会が予想外に少ない。その点でこの交流会では、来場のユーザー側は、一定の時間をかけて開発企業のデモや説明を受け、さらに試用を通じて支援機器を理解し、その上で開発企業と深い意見交換をすることが可能である。このことは開発企業にとっても、ユーザー側にとっても有意義な意見交換が可能な場として、筆者は非常に重要かつ価値のある「交流会」であると感じている。
2|2016(平成28)年度に助成を受けた開発機器
さて、事業のもう一つの柱である助成については、2016(平成28)年度事業で公募の上、助成対象に採択された16の開発機器は下図のとおりである(図表-2)。開発企業は良く知られた大企業から中小、ベンチャー企業まで様々な業種の企業が参画している。その開発分野も様々な障がいを持つ人に応じて日常生活やコミュニケーションなどを支援する機器群の開発が進められている。
一例として「9」の開発内容に簡略に触れたい。この「開発テーマ名」にある「分身ロボット(株式会社オリィ研究所)」は、昨年の同交流会で筆者が興味を持ち、弊社の基礎研レポート(「新たな価値を提供する先進的な福祉用具 -ユーザー目線の開発がもたらす利用者のQOL向上-」(2016-05-26))で紹介した。今回は、「OriHime」(高さ約20cm)というコミュニケーション支援用「分身ロボット」の新たなインターフェースの内容である。製品名は「OriHime eye」という透明文字盤(50音のひらがなや記号、短文、操作内容が印字された透明シート)であり、四肢が不自由な人などがその文字盤上の文字を見つめ、視線だけで文字や記号を入力できるハイテク電子機器である。この新たな透明文字盤の活用では介助者なしで、利用者自身が文字入力やメールの送受信などの操作が可能となる。
この他の支援機器にも触れたいが、テクノエイド協会のホームページ内の資料等を参照して欲しい。
さて、事業のもう一つの柱である助成については、2016(平成28)年度事業で公募の上、助成対象に採択された16の開発機器は下図のとおりである(図表-2)。開発企業は良く知られた大企業から中小、ベンチャー企業まで様々な業種の企業が参画している。その開発分野も様々な障がいを持つ人に応じて日常生活やコミュニケーションなどを支援する機器群の開発が進められている。
一例として「9」の開発内容に簡略に触れたい。この「開発テーマ名」にある「分身ロボット(株式会社オリィ研究所)」は、昨年の同交流会で筆者が興味を持ち、弊社の基礎研レポート(「新たな価値を提供する先進的な福祉用具 -ユーザー目線の開発がもたらす利用者のQOL向上-」(2016-05-26))で紹介した。今回は、「OriHime」(高さ約20cm)というコミュニケーション支援用「分身ロボット」の新たなインターフェースの内容である。製品名は「OriHime eye」という透明文字盤(50音のひらがなや記号、短文、操作内容が印字された透明シート)であり、四肢が不自由な人などがその文字盤上の文字を見つめ、視線だけで文字や記号を入力できるハイテク電子機器である。この新たな透明文字盤の活用では介助者なしで、利用者自身が文字入力やメールの送受信などの操作が可能となる。
この他の支援機器にも触れたいが、テクノエイド協会のホームページ内の資料等を参照して欲しい。
「シーズ・ニーズマッチング交流会」の会場には、これら2016(平成28)年度の事業で開発助成された機器の他にも、過去の年度に開発された様々の自立支援機器など60数点が展示され、来場者が説明を受けたり意見交換するシーンが各所で見られた。この中には介護ロボットのテーマで開発された複数の機器も含まれていた。この他にも低下した握力を支援するグローブ状の支援機器などのデモンストレーションが行われていた。握力の低下した高齢者の日常の生活支援にも有効だと思われる。「自立支援」は障がい者を初め高齢者にとっても重要なテーマである。これら様々な機器活用によって日常生活で自立した活動が少しでも取り戻せ継続できることは、QOLを高める上でも重要なことである。
2――今後の事業の目指すべき方向について-2016(平成28)年度の来場者速報を受けて-
今回の「シーズ・ニーズマッチング交流会2016」への来場者の速報値が公表されている(図表-3)。大阪・東京会場の合計で「使う人(ユーザー側等)」が406人、「作る人(開発側)」が340人と、全体ではユーザーの割合がメーカーの割合を上回る速報値となっている。しかし、遠方からの「交流会」への参加者も居ようが、全国ベースで「交流会」の意義や価値を考えた際には、この「シーズ・ニーズマッチング交流会」に興味を有する潜在的なユーザーや、さらにその家族や福祉関係者などはまだ多数居よう。
今後、この「シーズ・ニーズマッチング交流会」の価値をさらに高めるためには、どのような方策があるだろうか。一つには、今以上に来場者数を増やす工夫も必要とされよう。ただ、ウィークデーの開催であることや開催に当たってアクセスの良い開催場所など、様々な制約要因もあろう。
現在の参加者のように新たな支援機器開発を期待する人や目指す人に加えて、これら自立支援機器に興味を有する人々も多数居よう。例えば、大学などの福祉系や福祉工学関係の学生、さらに介護ロボットを含めた自立支援機器開発を目指す企業関係者などである。様々な人々の参加促進は、中長期的な新たな機器開発に対して、プラス効果が期待できるのではないだろうか。
「使う人」と「作る人」の両者にとって有意義となる深い意見交換が可能な「シーズ・ニーズマッチング交流会」の価値を維持し高めつつ、来場者拡大の方策にも大いに期待したい。
(2017年02月13日「基礎研レター」)
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青山 正治
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