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2016年12月27日
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3――新サービス
1|健康増進に関する新サービス
従来から生保各社は健康や医療の相談サービスなどを実施してきたが、2016年度には、「健康寿命」(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)8など、健康増進に関する新サービスも現れた。
2016年7月21日、住友生命、南アフリカの金融サービス会社Discovery、ソフトバンクは3社共同で「Japan Vitality Project」を開始するとプレス発表した。
このプログラムでは、生活習慣病の増加を抑える上で重要な「健康チェック」「予防」「運動」に着目し、ポイント付与により、保険加入者の健康増進への意欲を高める仕組みで、保険料割引や各種サービスなどの特典を提供する健康増進型保険を開発する予定とのことである9。
2016年8月1日には、第一生命・かんぽ生命が、NTTデータと連携して、国民のQOL(Quality of Life)向上や健康寿命の延伸に繋がる新しい保険商品・サービスの創出に向け、生保業界初のビジネスコンテストを共催するとプレス発表した10。
11月15日からビジネスコンテスト応募受付を開始している。
なお、少額短期保険業界では、2016年6月、健康年齢少額短期保険が、BMI指数や最高・最低血圧値、中性脂肪値などの健康診断結果12項目を使用して算出された健康年齢(実年齢ではなく、健康診断結果12項目の数値により、実年齢より低くなることもあるが、高くなることもある。加入時や更新時に毎年見直される。)で加入できる、健康年齢連動型医療保険を発売している11。
2|同性パートナーへの対応
渋谷区が同居の事実や、任意後見契約に関する公正証書などを確認した上で、同性カップルを結婚に相当する関係と認定する「パートナーシップ証明書」の交付を2015年11月5日から開始すると発表し、世田谷区も同様の取扱いを開始したのを契機に、生保各社が死亡保険金受取人の範囲や指定代理請求人の範囲を同性パートナーにも拡大する動きが進んでいる。
死亡保険金受取人については、2015年はライフネット生命、第一生命、日本生命(11月)、オリックス生命(12月)、2016年に入ってからはジブラルタ生命、チューリヒ生命(1月)、プルデンシャル生命(2月)、メットライフ生命(4月)がプレス発表した。
また、被保険者が受取人となる保険給付について、認知症などで被保険者自身が請求できない場合に被保険者を代理して請求する指定代理請求人についても、従来から配偶者や親族に加え、一定の条件のもと「被保険者と同居または生計を一にしている者」を指定可能とする会社があった(住友生命など)が、アフラック(2016年3月)、日本生命(2016年9月)なども同様の取扱いを開始し、同性パートナーなどの指定を可能としている。
8 2013年には健康寿命は男性71.19歳、女性74.21歳となっている。同年の平均寿命は男性80.21歳、女性86.61歳であることから、健康寿命との差は、男性9.02年、女性12.40年となり、この差が大きいほど日常生活に制限のある「不健康な時間」が長くなる。この差の拡大は、本人にとって健康上の問題が発生する期間が長期化することはもとより、医療費や介護費の増加による公的保険制度への影響も懸念されることから、厚生労働省は、健康寿命の延伸に向け、平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加を目標としている。
9 「Japan Vitality Project 『健康増進型保険』で日本をもっと健康に」、2016年7月21日、住友生命ホームページ。
10 「生保初 第一生命・かんぽ生命によるビジネスコンテストの実施について~国民のQOLおよび健康寿命の延伸に向けて~」、2016年8月1日、第一生命ホームページ。
11 「“日本初”『健康年齢』で加入できる『健康年齢連動型医療保険』 6 月17日(金)から販売開始~160 万件超の健康診断結果と医療費の相関を基に算出した『健康年齢®』を活用~」、2016年6月16日、健康年齢少額短期保険ホームページ。
従来から生保各社は健康や医療の相談サービスなどを実施してきたが、2016年度には、「健康寿命」(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)8など、健康増進に関する新サービスも現れた。
2016年7月21日、住友生命、南アフリカの金融サービス会社Discovery、ソフトバンクは3社共同で「Japan Vitality Project」を開始するとプレス発表した。
このプログラムでは、生活習慣病の増加を抑える上で重要な「健康チェック」「予防」「運動」に着目し、ポイント付与により、保険加入者の健康増進への意欲を高める仕組みで、保険料割引や各種サービスなどの特典を提供する健康増進型保険を開発する予定とのことである9。
2016年8月1日には、第一生命・かんぽ生命が、NTTデータと連携して、国民のQOL(Quality of Life)向上や健康寿命の延伸に繋がる新しい保険商品・サービスの創出に向け、生保業界初のビジネスコンテストを共催するとプレス発表した10。
11月15日からビジネスコンテスト応募受付を開始している。
なお、少額短期保険業界では、2016年6月、健康年齢少額短期保険が、BMI指数や最高・最低血圧値、中性脂肪値などの健康診断結果12項目を使用して算出された健康年齢(実年齢ではなく、健康診断結果12項目の数値により、実年齢より低くなることもあるが、高くなることもある。加入時や更新時に毎年見直される。)で加入できる、健康年齢連動型医療保険を発売している11。
2|同性パートナーへの対応
渋谷区が同居の事実や、任意後見契約に関する公正証書などを確認した上で、同性カップルを結婚に相当する関係と認定する「パートナーシップ証明書」の交付を2015年11月5日から開始すると発表し、世田谷区も同様の取扱いを開始したのを契機に、生保各社が死亡保険金受取人の範囲や指定代理請求人の範囲を同性パートナーにも拡大する動きが進んでいる。
死亡保険金受取人については、2015年はライフネット生命、第一生命、日本生命(11月)、オリックス生命(12月)、2016年に入ってからはジブラルタ生命、チューリヒ生命(1月)、プルデンシャル生命(2月)、メットライフ生命(4月)がプレス発表した。
また、被保険者が受取人となる保険給付について、認知症などで被保険者自身が請求できない場合に被保険者を代理して請求する指定代理請求人についても、従来から配偶者や親族に加え、一定の条件のもと「被保険者と同居または生計を一にしている者」を指定可能とする会社があった(住友生命など)が、アフラック(2016年3月)、日本生命(2016年9月)なども同様の取扱いを開始し、同性パートナーなどの指定を可能としている。
8 2013年には健康寿命は男性71.19歳、女性74.21歳となっている。同年の平均寿命は男性80.21歳、女性86.61歳であることから、健康寿命との差は、男性9.02年、女性12.40年となり、この差が大きいほど日常生活に制限のある「不健康な時間」が長くなる。この差の拡大は、本人にとって健康上の問題が発生する期間が長期化することはもとより、医療費や介護費の増加による公的保険制度への影響も懸念されることから、厚生労働省は、健康寿命の延伸に向け、平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加を目標としている。
9 「Japan Vitality Project 『健康増進型保険』で日本をもっと健康に」、2016年7月21日、住友生命ホームページ。
10 「生保初 第一生命・かんぽ生命によるビジネスコンテストの実施について~国民のQOLおよび健康寿命の延伸に向けて~」、2016年8月1日、第一生命ホームページ。
11 「“日本初”『健康年齢』で加入できる『健康年齢連動型医療保険』 6 月17日(金)から販売開始~160 万件超の健康診断結果と医療費の相関を基に算出した『健康年齢®』を活用~」、2016年6月16日、健康年齢少額短期保険ホームページ。
4――おわりに
日経優秀製品・サービス賞という賞がある。
日本経済新聞社が主催し、日本経済新聞、日経産業新聞、日経MJ、日経ヴェリタスの4紙に掲載された新製品・サービスの中から、毎年1回、年頭に昨年のとくに優れた新製品・サービスを表彰する賞である。
このうち日経ヴェリタス賞は、おもに銀行、証券や保険会社など、金融機関の商品・サービスに対して授与される。
2015年日経ヴェリタス賞最優秀賞は損保ジャパン日本興亜の企業向け安全運転支援サービス「スマイリングロード」、優秀賞はりそなホールディングスの「24時間365日振り込みサービス」であった。
生保の受賞は、2013年優秀賞の東海日動あんしん生命の医療保険「メディカルKit R」、2012年優秀賞の日本生命「ニッセイみらいのカタチ」などがあるが、2016年は3年ぶりの生保会社の商品・サービスの受賞を期待したい。
日本経済新聞社が主催し、日本経済新聞、日経産業新聞、日経MJ、日経ヴェリタスの4紙に掲載された新製品・サービスの中から、毎年1回、年頭に昨年のとくに優れた新製品・サービスを表彰する賞である。
このうち日経ヴェリタス賞は、おもに銀行、証券や保険会社など、金融機関の商品・サービスに対して授与される。
2015年日経ヴェリタス賞最優秀賞は損保ジャパン日本興亜の企業向け安全運転支援サービス「スマイリングロード」、優秀賞はりそなホールディングスの「24時間365日振り込みサービス」であった。
生保の受賞は、2013年優秀賞の東海日動あんしん生命の医療保険「メディカルKit R」、2012年優秀賞の日本生命「ニッセイみらいのカタチ」などがあるが、2016年は3年ぶりの生保会社の商品・サービスの受賞を期待したい。
(2016年12月27日「保険・年金フォーカス」)
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小林 雅史
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