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- 【12月米FOMC】予想通り、1年ぶりとなる0.25%の利上げを実施
2016年12月15日
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(景気見通し)
- 委員会は、金融政策スタンスの漸進的な調整により、経済活動は緩やかに拡大し、労働市場の状況が強くなると、予想している(変更なし)
- インフレ率は、エネルギーや輸入価格のこれまでの下落といった一時的な要因が解消することや労働市場の更に強くなることによって、中期的には2%に向けて緩やかに上昇すると予測する(変更なし)
- 経済見通しに対する短期的なリスクは概ねバランスしている(変更なし)
- 委員会は、引き続きインフレ動向と世界経済および金融情勢を注視する(変更なし)
4.会見の主なポイント(要旨)
記者会見の主な内容は以下の通り。
- 政策金利変更の理由
- 「雇用の最大化」と「2%物価目標」に向けて着実な進展がみられることから、小幅な政策金利の引き上げが適当と判断。
- 今後の金融政策
- 経済状況は、政策目標を達成し、維持する上で緩やかな政策金利の引き上げのみを正当化している。
- 自然利子率が低く、政策金利との差が僅かであることも、中立的な金融政策スタンスを維持するのに、緩やかな政策金利の引き上げで十分であることを示している。
- 当然、経済見通しは極めて不透明となっており、今後の経済見通しや想定されるリスクによって、適切な政策金利見通しの調整を行う。
- (来年の政策金利引き上げ見通しを2回から3回に引上げた理由は何かとの質問に対して)強調したいのは、政策金利の予想経路を僅かに調整しただけであること。また、見通しもほんの幾人かが変更したに過ぎない。変更の要因としては、失業率が想定を小幅に下回ったほか、インフレ率が想定を小幅に上回ったことや、幾人かが財政政策の変化を予想に織込んだこと。しかし、強調したいのは、変更が非常に小幅であることである。
- (選挙後の資本市場の動向やトランプ氏の経済政策に伴う金融政策への影響を議論したかとの質問に対して)議論した。経済政策がどのように変化し、経済にどのような影響があるのか、非常に不透明であることをFOMC参加者は認識している。これらが金融政策の意思決定にどう影響するのか暫く状況を見守っていく。
- 財政政策について
- (個人や法人に対する減税が生産能力を高めるのかとの質問に対して)税制改革は生産性を高めるための生産能力の増強に資することができるものの、個別の政策次第である。税制改正に伴う金融政策への影響については現状で言えることはない。
- (イエレン議長はこれまで成長見通しを引上げるために財政刺激が必要だと主張してきたが、現状で経済に景気刺激をする能力があると判断しているかとの質問に対して)財政刺激の必要性を訴えてきたのは、今より失業率が顕著に高かった時だ。労働市場の緩みは解消してきているので、現状では完全雇用を達成するために財政刺激が明らかに必要という訳ではない。しかしながら、新政権に対してあるべき政策のスタンスについて助言しようとしている訳ではない。
5.FOMC参加者の見通し
(2016年12月15日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
窪谷 浩のレポート
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