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- 【東南アジア経済】ASEANの製造業生産(9月号)~中国向け輸出の下振れで生産鈍化
2016年09月14日
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分野別に見ると、全体の約3割を占める電子製品は同16.2%増(前月:同19.0%増)と半導体を中心に二桁増を維持した。一方、同じく主力のバイオ医療は同9.7%減(前月:同10.4%減)と医薬品原料の需要減を受けて二ヵ月連続の大幅減少となった。また輸送エンジニアリングは同21.8%減(前月:同13.4%減)と、油田開発用リグの建造の減少を受けて船舶・海運を中心に減少した。このほか精密エンジニアリングは同4.9%減(前月:同7.0%増)と昇降装置や冷却システムといった機械・システムや光学機器などのモジュール・部品が低下し、化学は同3.2%減(前月:同5.0%減)と石油化学工場のメンテナンスに伴う操業停止によって低迷した。

業種別に見ると、全20業種中10業種が前年同月比で増加、10業種が減少した。全体の約2割を占める電気機械は同6.9%減(前月:同8.3%減)、食品加工は同14.1%増(前月:同2.6%増)、化学製品は同6.9%増(前月:同4.1%増)と上昇した。またベースメタルは同64.1%増、輸送用機器は同35.8%増、機械・設備は同27.3%増、ゴム・プラスチックは同29.7%と、それぞれ前月から鈍化したものの高水準を維持した。一方、石油製品は同6.3%減(前月:同1.9%減)と一段と低下した。
また7月の設備稼働率は83.5%と、前月(83.5%)から横ばいとなった。

全体の約7割を占める製造業の内訳を見ると、主力の織物(同19.0%増)、アパレル(同7.6%増)、革製品(同9.7%増)、バイク(同10.6%増)などは外国企業の投資を追い風に堅調な伸びが続いた一方、コンピュータ・電子・光学機器(同3.2%増)や電気機械(同1.6%増)は鈍化した。干ばつの影響が和らいだ食品加工(同11.6%増)は好調だった。
7月の製造業の出荷指数は同9.1%増と、これまでの二桁台の伸びに比べて鈍い動きが見られるものの、前月の同7.8%増から上昇した。一方、在庫指数は同8.9%増(前月:同9.2%増)と小幅に低下した結果、出荷・在庫バランス(出荷前年比-在庫前年比)は+0.2%ポイント(前月:▲1.4%ポイント)と3ヵ月ぶりのプラスとなった。
(2016年09月14日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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