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やっぱり返礼品が一番-ふるさと納税シリーズ(1)ふるさと納税に関する現況調査結果より
金融研究部 主任研究員・年金総合リサーチセンター・ジェロントロジー推進室・ESG推進室兼任 高岡 和佳子
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1――はじめに
全件調査結果である「ふるさと納税に関する現況調査結果」を拝見したところ、筆者のサンプリング調査による結論「寄附者の大多数は返礼品目当てである」と親和する内容であった。これぞ統計学の底力と喜び一入だ。だた、この喜びに共感していただける方は少ないであろうから、今回は「ふるさと納税に関する現況調査結果」のうち、筆者が注目した点を紹介する。
2――受入額が増えた理由は返礼品の充実が第一位
3――返礼品を送付する地方自治体は9割以上
4――返礼品の平均還元率は40%強
現在は、返礼品の量・質が寄附金額に比例するのが主流であるが、2年前は、一定額以上の寄付金に対し一律の返礼品を送付するのが主流であった。そのため、1万円を寄附して3千円の返礼品を受け取った人が10人いるのか、1人が10万円を寄附して3千円の返礼品を受け取ったのかはわからず、手元のサンプリング調査データでは当時の還元率を計算することは不可能だ。しかし、寄附者全員が返礼品を受け取れる最低金額を寄附していたという極端な仮定の下でも、当時の還元率の平均は30%に満たない。つまり、少なく見積もっても、この2年間で平均還元率が10%以上、上昇したと考えられる。
5――ふるさと納税制度の実質予算は年間764億円
1 平成26年度のふるさと納税受け入れ件数1,912,922件に対し、平成26年中のふるさと納税にかかる寄附金税額控除適用者数が435,720人である。このことから、ふるさと納税を行う納税者の寄附先数の平均は4.4である。また、ふるさと納税ワンストップ特例制度を適用するには寄附先を5団体以下に抑える必要があることから、妥当な仮定と考える。
2 第一の矢と第三の矢にまたがる年金生活者等支援臨時福祉給付金に係る予算は案分した。
3 山田宏「公共事業における費用便益分析の役割」『立法と調査』参議院事務局企画調整室編、2006、通号256参照
なお、中止理由は費用便益比の不確実性(リスク)であって、は費用便益比自体ではない。
(2016年07月22日「基礎研レター」)
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03-3512-1851
- 【職歴】
1999年 日本生命保険相互会社入社
2006年 ニッセイ基礎研究所へ
2017年4月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
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