2016年02月16日

2016・2017年度経済見通し(16年2月)

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

文字サイズ

■要旨
<実質成長率:2015年度0.6%、2016年度1.2%、2017年度0.0%を予想>
 
  1. 2015年10-12月期の実質GDPは民間消費の大幅減少などから前期比年率▲1.4%のマイナス成長となった。日本経済は2015年度に入ってから足踏み状態が続いている。
     
  2. 2016年1-3月期は前期比年率1.2%のプラス成長を予想するが、うるう年の影響を除けばほぼゼロ成長で、景気が実勢として回復基調に戻るのは2016年度入り後にずれ込む公算が大きい。
     
  3. 2016年度末にかけては消費税率引き上げ前の駆け込み需要もあり高めの成長となった後、2017年度は消費増税の影響から成長率が大きく低下するだろう。実質GDP成長率は2015年度が0.6%、2016年度が1.2%、2017年度が0.0%と予想する。
     
  4. 消費者物価上昇率(生鮮食品を除く総合)は原油価格の急落を主因として2016年度半ば頃までマイナスが続くだろう。原油価格下落の影響が一巡する2016年度後半にプラスに転じた後、1%程度まで伸びを高めるが、2017年度入り後は消費税率引き上げに伴う景気減速の影響から伸び率が鈍化する可能性が高い。年度ベースでは2015年度が0.0%、2016年度が0.2%、2017年度が0.9%(消費税率引き上げの影響を除く)と予想する。

 
実質GDP成長率の推移(年度)
■目次

1. 2015年10-12月期は年率▲1.4%と2四半期ぶりのマイナス成長
  ・アベノミクスの3年間
  ・円高、株安、原油安の影響
  ・春闘賃上げ率は2015年度を下回る公算

2. 実質成長率は2015年度0.6%、2016年度1.2%、2017年度0.0%を予想
  ・景気が回復基調に戻るのは2016年度入り後
  ・交易条件の改善が国内景気を押し上げ
  ・2016年度後半は駆け込み需要が成長率を押し上げ
  ・経常収支の見通し
  ・物価の見通し
Xでシェアする Facebookでシェアする

経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【2016・2017年度経済見通し(16年2月)】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

2016・2017年度経済見通し(16年2月)のレポート Topへ