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2016年01月12日
インドの生命保険市場(5)-インドの生命保険会社のリスク管理はどのように行われているのか-
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2|ストレス・テストの要件
保険会社は、「別添2」に記載されたリスク要因について、(上記の通達に規定された)「別添ST」を提出しなければならない。リスク要因の乖離幅は、保険会社のリスク・プロファイルに基づいて考慮することができる。しかしながら、保険会社は、会社に固有のリスク要因に加えて、以下に述べるような特定のリスク要因に基づいたシナリオに対するストレス・テストの結果を提出しなければならない。
3|ストレス・テストの活用
保険会社の取締役会は、「表ALM」のデータ及び「別添ST」から発せられる問題のタイムリーなレビューを確実に行い、監督当局に対して通告を行って、必要と思われる是正措置を講じなければならない。
アポインテッド・アクチュアリーは、(もしあれば)この点に関するインド・アクチュアリー会が発行した数理計算上の実施基準に従うことができる。
保険会社は、「別添2」に記載されたリスク要因について、(上記の通達に規定された)「別添ST」を提出しなければならない。リスク要因の乖離幅は、保険会社のリスク・プロファイルに基づいて考慮することができる。しかしながら、保険会社は、会社に固有のリスク要因に加えて、以下に述べるような特定のリスク要因に基づいたシナリオに対するストレス・テストの結果を提出しなければならない。
ⅰ株式の30%の下落、様々な固定金利証券で得ることができる利回りの100ベーシス・ポイントの低下、死 亡率/罹患率、事業費、解約/失効率における10%の不利な変化、新契約高の25%(の増加と減少)、それぞれ独立に
ⅱ株式の30%の下落、様々な固定金利証券で得ることができる利回りの100ベーシス・ポイントの低下、死亡率/罹患率、事業費、解約/失効率における10%の不利な変化、新契約高の25%(の増加と減少)、報告日から3年間、それぞれ独立に
3|ストレス・テストの活用
保険会社の取締役会は、「表ALM」のデータ及び「別添ST」から発せられる問題のタイムリーなレビューを確実に行い、監督当局に対して通告を行って、必要と思われる是正措置を講じなければならない。
アポインテッド・アクチュアリーは、(もしあれば)この点に関するインド・アクチュアリー会が発行した数理計算上の実施基準に従うことができる。
別添2
財務・資本十分性ポジションの将来予測において考察されるべきリスク・ファクターの一覧表(1年間)
(ⅰ)パラレル・シフト
(ⅱ)5年未満は変化無し、5年以上はパラレル・シフトで、直線補間
(ⅲ)5年未満はパラレル・シフト、5年以上は変化無しで、直線補間
(ⅳ)信用スプレッドの変化
(b)株式市場
(ⅰ)株式暴落(全ての市場、市場毎)
(ⅱ)株式固有のイベント・リスク(個々の株式の変化、株式毎)
(b)責任準備金評価基礎
(c)契約オプションの行使率
(d)株主への配分
(e)税金
財務・資本十分性ポジションの将来予測において考察されるべきリスク・ファクターの一覧表(3年間)
(ⅰ)毎年のパラレル・シフト
(ⅱ)5年未満は変化無し、5年以上は毎年のパラレル・シフトで、直線補間
(ⅲ)5年未満は毎年のパラレル・シフト、5年以上は変化無しで、直線補間
(ⅳ)信用スプレッドの変化
(b)株式市場
(ⅰ)将来予測期間にわたる株式配当利回りの低下
(ⅱ)将来予測期間にわたる株式総合収益の悪化
(b)出再保険
(c)責任準備金評価基礎
(d)契約オプションの行使率
(e)株主への配分
(f)税金
財務・資本十分性ポジションの将来予測において考察されるべきリスク・ファクターの一覧表(1年間)
1.死亡率/罹患率:経験の不利な変化
2.投資収益
(a)イールド・カーブ(ⅰ)パラレル・シフト
(ⅱ)5年未満は変化無し、5年以上はパラレル・シフトで、直線補間
(ⅲ)5年未満はパラレル・シフト、5年以上は変化無しで、直線補間
(ⅳ)信用スプレッドの変化
(b)株式市場
(ⅰ)株式暴落(全ての市場、市場毎)
(ⅱ)株式固有のイベント・リスク(個々の株式の変化、株式毎)
3.事業費:事業費の増加
4.継続率:経験の不利な変化
5.新契約:新契約の低下
6.アポインテッド・アクチュアリーは、以下の変化から発生する次の予測年における会社の経験に対するショック・シナリオを含まなければならない。
(a)出再保険(b)責任準備金評価基礎
(c)契約オプションの行使率
(d)株主への配分
(e)税金
7.アポインテッド・アクチュアリーは、保険会社の事業に重要な関連のある他のいかなる要素も考慮しなければならない。
財務・資本十分性ポジションの将来予測において考察されるべきリスク・ファクターの一覧表(3年間)
1.死亡率/罹患率:将来予測期間にわたって、毎年の経験の不利な変化
2.投資収益
(a)イールド・カーブ(ⅰ)毎年のパラレル・シフト
(ⅱ)5年未満は変化無し、5年以上は毎年のパラレル・シフトで、直線補間
(ⅲ)5年未満は毎年のパラレル・シフト、5年以上は変化無しで、直線補間
(ⅳ)信用スプレッドの変化
(b)株式市場
(ⅰ)将来予測期間にわたる株式配当利回りの低下
(ⅱ)将来予測期間にわたる株式総合収益の悪化
3.事業費:将来予測期間にわたる毎年の事業費の増加
4.継続率:将来予測期間にわたる毎年の経験の不利な変化
5.新契約:将来予測期間にわたる毎年の新契約の低下
6.重要な影響を与える場合、アポインテッド・アクチュアリーは、以下の変化から発生する将来予測期間にわたる会社の経験の悪化に関するシナリオを含まなければならない。
(a)配当率(b)出再保険
(c)責任準備金評価基礎
(d)契約オプションの行使率
(e)株主への配分
(f)税金
7.アポインテッド・アクチュアリーは、保険会社の事業に重要な関連のある他のいかなる要素も考慮しなければならない。
4―エコノミック・キャピタルの算出について
IRDAIが2010年3月に発行した通達「エコノミック・キャピタル(Economic Capital)」により、生命保険会社においては、2010年3月末からのアポインテッド・アクチュアリー年次報告書(Appointed Actuary's Annual Report:AAAR)において、エコノミック・キャピタルの算出等について記載することが求められることになった。
具体的には、AAARの第5章において、エコノミック・キャピタルの計算手法及び計算結果(エコノミック・キャピタル・ベースのソルベンシー比率を含む)について報告することが求められている。
具体的には、AAARの第5章において、エコノミック・キャピタルの計算手法及び計算結果(エコノミック・キャピタル・ベースのソルベンシー比率を含む)について報告することが求められている。
(2016年01月12日「基礎研レター」)
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