- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融政策 >
- 日銀短観(12月調査)~大企業製造業の景況感は横ばい、先行きは悲観的
日銀短観(12月調査)~大企業製造業の景況感は横ばい、先行きは悲観的
経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志
このレポートの関連カテゴリ
- 日銀短観12月調査では、注目度の高い大企業製造業の業況判断D.I.が12と前回9月調査比で横ばいとなり、足元の底堅い企業マインドが示された。大企業非製造業も横ばいとなった。景況感の下押し材料は多々存在するものの、特に資源価格下落が追い風となった形だ。大企業製造業では、新興国経済の減速や長引く軽自動車税増税の影響などが景況感の重石となったが、資源価格下落が採算の改善に繋がり、景況感を下支えした。非製造業でも、国内消費の伸び悩みや杭打ち不正問題も景況感の下押し圧力になる一方で、資源価格の下落に加えて、旺盛なインバウンド需要や情報化の流れが下支え役となった。中小企業については、製造業が前回から横ばい、非製造業では前回比2ポイント上昇した。
- ただし、先行きの景況感については、企業規模や製造業・非製造業を問わず、幅広く悪化が見られる。従来との比較でも今回の悪化幅は大きい。米利上げや中国経済減速などから、海外経済の先行き不透明感は強い。また、非製造業を支えるインバウンドも、国際的に相次ぐテロの影響や中国経済の減速によって、今後勢いが削がれるリスクが意識されたようだ。
- 15年度設備投資計画(全規模全産業)は、前年度比で7.8%増と、前回調査時点の6.4%増から上方修正された。例年、9月調査から12月調査にかけては、中小企業において、計画が固まってくることに伴って上方修正される統計のクセが非常に強く、今回も上方修正となったうえ、大企業も底堅い計画となった。大企業製造業では新興国経済の減速など外部環境の悪化により、一部投資の先送りの動きが出たとみられるが、非製造業では強い人手不足感から省力化投資などを積み増す動きが出た可能性がある。
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
ソーシャルメディア
新着記事
-
2021年04月15日
民間銀行が発行する紙幣 -
2021年04月15日
ネット病院の急増(中国)-新型コロナの経験をどう活かすのか。 -
2021年04月15日
高まる米国の連邦最低賃金引上げ機運―バイデン大統領、民主党が09年以来の最低賃金引上げを模索 -
2021年04月15日
新型コロナ禍での人流規制-外出制限をどう考えるか -
2021年04月13日
ASEANの貿易統計(4月号)~2月の輸出はベトナム旧正月の影響を受けて鈍化
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2021年04月12日
News Release
-
2021年04月02日
News Release
-
2021年01月21日
News Release
【日銀短観(12月調査)~大企業製造業の景況感は横ばい、先行きは悲観的】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
日銀短観(12月調査)~大企業製造業の景況感は横ばい、先行きは悲観的のレポート Topへ