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- 中国の景気指標を総点検しよう!~そこから浮かび上がる3つの注目点
【要旨】
- まず、供給面の景気指標を見ると、ここ数ヵ月の工業生産は6%前後で一進一退の動きをしている。また、製造業PMIは6ヵ月ぶりに50%を下回るなど景気失速が懸念されるが、同予想指数は2ヵ月連続で上昇しており悲観一色でもない。一方、非製造業PMI(商務活動指数)は50%を上回るなど高水準を維持しているものの、株価下落の影響が製造業よりも大きいと見られるだけに、今後の動きには注意が必要である。
- 次に、需要面の景気指標を見ると、消費は堅調、投資は一進一退、輸出は弱含みといえる。消費は4月をボトムに緩やかながら回復傾向を辿っている。投資は4月よりは良いものの6月よりは悪く一進一退の動きとなっている。また、輸出は概ね前年を下回る水準で推移しており、特に欧州向けや日本向けの落ち込みが目立つ。輸出の先行指標となる新規輸出受注も低迷しており、先行きにも明るさは見えない。
- その他の重要指標を見ると、電力消費量は前年同月比1%増を挟んで一進一退、道路貨物輸送量も同6%増を挟んで一進一退の動きが続いている。また、生産者物価が再び下落の勢いを増したことは、工業製品に対する需要の弱さを表しており悪材料である。一方、通貨供給量が目標値「12%前後」を上回る伸びを示したことは好材料だが、株価対策の影響で増えたと見られることから、投資に結びつくと見るのは時期尚早と思われる。
- それ以外で注目したいのが「自動車販売」「住宅販売」「李克強指数(修正後)」の3つである。ここもと最も悪いのは「自動車販売」で、最も良いのは「住宅販売」である(下の図表)。現在はこの両者が逆方向なので景気は一進一退だが、「自動車販売」が好転するか「住宅販売」が悪化すれば、均衡が崩れて動き出す。また、「李克強指数(修正後)」も、現在は6%前後での一進一退だが、いずれはどちらかの方向に動きだすので、どちらに動くか要注目である。
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三尾 幸吉郎
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(2015年09月25日「Weekly エコノミスト・レター」)
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