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中国株の乱高下と今後の注目点-“金融相場”の終了で乱高下、今後は再び急落して長期低迷? それとも“業績相場”へ移行?
三尾 幸吉郎
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- 中国では株価が急落した。それまでの株価急騰は企業業績が悪化する中での出来事であり、景気テコ入れ策の実施を期待した“金融相場”だったといえる。“金融相場”が終了して、現在は個人投資家から機関投資家へと、保有者が交替(“手替わり”)する局面にあることから、相場は乱高下している。新たな買い手となる機関投資家は景気指標を重視して投資する。
- その景気指標を見ると、供給面では工業生産が3ヵ月連続で伸びを高めるなど3月をボトムに回復傾向にある。需要面から見ても、6月は消費・投資・輸出の3本柱が揃って上向いており、3-4月頃をボトムに回復傾向にある。また、その他の重要な4指標(電力消費量、貨物輸送量、生産者物価、通貨供給量)はまちまちの動きとなっており明確な傾向は見られない。
- 今後の株価動向を考えると、株価バリュエーション(PER)や信用買い残の増減から見て上値抵抗圏は4025~4314(PERで21倍前後)の水準、下値支持圏はこれまでの値動きなどから考えて3076~3383(PERで16倍前後)の水準にあると思われる(下左図)。
- 景気評価点を見ると、3月には“景気減速”に落ち込んでいたが、6月には“やや加速”に達しており、景気は回復傾向にある(下右図)。仮に景気回復が一時的なものに終われば、株価は下値支持圏を割り込みそうだが、景気回復が持続すれば“業績相場”へ移行して、上値抵抗圏を突破する可能性もある。従って、景気回復の持続性を見極めることが肝要となる。
- 中国経済への影響としては、株価が4000台半ばまで反発して落ち着くようだと、プラス効果がマイナス効果を上回り、中国経済への影響はややプラスになる可能性が高いと思われる。一方、2000台半ばへ下落して落ち着くようだと、個人消費への悪影響は避けられないだろう。
(2015年07月24日「Weekly エコノミスト・レター」)
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