2015年08月19日

【7月米住宅着工、許可件数】住宅着工は一戸建て住宅主導で07年10月以来の高水準

経済研究部 主任研究員 窪谷 浩

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【要旨】

1.結果の概要:住宅着工件数は07年10以来の高水準

8月18日、米国センサス局は7月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数(季節調整済、年率)は、120.6万件(前月改定値:120.4万件)となり、市場予想の118.0万件(Bloomberg集計の中央値、以下同様)を上回った。一方、住宅着工件数の伸び(前月比)は+0.2%(前月改定値+12.3%)となり、前月数値が上方修正されたこともあり、市場予想(+0.5%)は下回った。
住宅着工に先行する住宅着工許可件数(季節調整済、年率)は、111.9万件(前月改定値:133.7万件)と、前月から大幅に減少、市場予想(122.5万件)も下回った。この結果、住宅着工許可件数の伸び(前月比)は▲16.3%(前月改定値+7.0%)と2桁のマイナスとなり、市場予想(▲8.0%)も下回った(詳細はPDFを参照)。


2.結果の評価:住宅許可件数は集合住宅の落ち込みから減少

住宅着工件数は、6月が117.4万件から120.4万件に上方修正されたこともあり、前月比でみた伸びは大幅に鈍化した。もっとも、件数は07年10月以来と7年9月ぶりの水準となったほか、前年比も+10.1%と2桁の増加を維持しており、住宅着工の好調は持続している。
住宅着工件数の内訳をみると、一戸建てが78.2万件(前月:69.3万件)、集合住宅が42.4万件(前月:51.1万件)と、集合住宅が前月から減少する一方、一戸建てが大幅に増加しており、7月は、集合住宅が牽引した前月とは対照的に一戸建てが好調であった。
次に、住宅着工件数(前月比)の地域別寄与度をみると、北東部が7月は▲5.1%ポイント(前月+7.4%ポイント)と前月の反動もあって大きなマイナス寄与となった。
住宅着工件数の先行指標である住宅着工許可件数は、07年7月以来となった6月からは大幅に減少した。許可件数の内訳をみると、一戸建てが67.9万件(前月:69.2万件)、集合住宅が44.0万件(前月:64.5万件)となったほか、前月比寄与度でも、許可件数全体の▲16.3%のマイナスのうち、集合住宅が▲15.3%ポイントとなり、集合住宅の下落の影響が大きいことが分かる。


住宅着工件数/住宅着工許可件数

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経済研究部   主任研究員

窪谷 浩 (くぼたに ひろし)

研究・専門分野
米国経済

(2015年08月19日「経済・金融フラッシュ」)

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