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■要旨
低金利が続く中で、投資家の利回りに対するニーズを満たすため、仕組み債の他、劣後債を含むハイブリッド証券に再び注目が集まっている。資金調達者である発行体から見れば、低金利環境のメリットを享受した調達が可能になっており、同時に、一般的な社債よりも高い手数料が支払われるため、募集を担当する証券会社にも好まれているようだ。しかし、通常の社債より高い利回りの裏には、通常の社債には存在しないリスクが隠れている。特に、劣後債の場合には、法的処理等の劣後事由に該当した場合、元本は完全に毀損される可能性が高い。公的資金の注入が期待できる金融機関の劣後債とは異なり、事業会社の劣後債の場合には、投資家は十分な信用分析と確認に基づいて投資判断を行わなければならない。個人や諸法人といった劣後債投資に不慣れな投資家に対しては、販売業者は十分過ぎるほどの説明を行った上で理解を得ることが必要であろう。金融商品取引法の定める適合性原則は、商品の内容と投資家の経験等によって求められる水準が異なるのであり、劣後債等の場合には、より厳しく適用されることが望ましい。後になって問題が発生し、騒動になるという、これまでの金融商品販売の歴史を繰返すべきではない。
(2015年05月13日「基礎研レター」)
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03-3512-1845
- 【職歴】
・1986年 日本生命保険相互会社入社
・1991年 ペンシルバニア大学ウォートンスクールMBA
・2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社に出向
・2008年 ニッセイ基礎研究所へ
・2021年より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・日本ファイナンス学会
・証券経済学会
・日本金融学会
・日本経営財務研究学会
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