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がん罹患者の医療費自己負担額~レセプトによる高額療養費制度を考慮した自己負担額の推移
保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任 村松 容子
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査1」によれば、ケガや病気に対しておよそ9割の人が不安を感じている。不安を感じる内容を見ると、もっとも高いのが「長期の入院で医療費がかさむ(55.5%)」、ついで「公的医療保険だけでは不十分(44.9%)」と、費用に関する不安は大きい。しかし、ケガや病気をした場合の医療費を事前に見積もるのは難しい。医療費の自己負担額が非常に高くなった場合には、公的な医療保険によって負担を軽減する仕組み(高額療養費制度)があるが、高額療養費制度を利用した後、どの程度自己負担することになるのか、その負担がどの程度続くのかを知る方法は少ない。更に、場合によっては差額ベッド代など医療費の自己負担額以外の負担もある。
そこで本稿では、国民の約半分が将来のいずれかの時点で罹患するといわれている「がん(悪性新生物)」を取り上げ、レセプトデータを使って受診開始から5年間の受診有率、受診日数(回数)を示したあと、受診開始以降の医療費、特に高額療養費制度を考慮した場合の自己負担額について分析する。
1 (公財)生命保険文化センター「平成25年度 生活保障に関する調査」。全国18~69歳の男女個人を対象としている。
(2015年02月10日「基礎研レポート」)
03-3512-1783
- 【職歴】
2003年 ニッセイ基礎研究所入社
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