- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア経済 >
- 【アジア新興経済レビュー】ASEAN4・インドの景気に減速感
2014年12月01日
- (実体経済)
11月はマレーシア・タイ・インドネシア・フィリピン・インドで7-9月期のGDPが公表された。実質GDP成長率はタイを除く国で減速したほか、タイも0%台の低成長となるなど、景気に減速感が見られた。これらの国では、消費・投資が好調もしくは堅調さを維持する一方、輸出が伸び悩み、輸入が内需拡大を背景に拡大したため、成長率に下押し圧力が掛かる傾向があった。 - (インフレ率)
10月のインフレ率は、原油安を背景に低下傾向にあり、インドネシアを除く国・地域で3ヵ月平均・6ヵ月平均を下回った。特にインドのインフレ率は前年同月比5.5%と低下傾向が顕著であり、中央銀行のインフレ目標(16年1月で6%)を下回った。 - (金融政策)
11月は、韓国・マレーシア・タイ・インドネシアで金融政策決定会合が開かれた。インドネシアは、政府が補助金付き燃料の値上げを発表した翌日(18日)に緊急開催し、利上げを実施した(7.50→7.75%)。その他の国では、政策金利が据え置かれた。 - (11月の注目ニュース)
インドネシアでは17日に補助金付き燃料の値上げを発表した。補助金付きガソリン価格および軽油価格をそれぞれ2000ルピア/?値上げした。年間当たり約100兆ルピア(対GDP比0.9%)の歳出削減に繋がる見込み。台湾では29日に統一地方選挙 が投開票され、与党・国民党は注目の直轄市の市長ポストが4から1に減少する大敗となった。今回の敗北を受けて、国民党は対中融和のスピードを緩めることになるだろう。 - (12月の主要指標)
12月は、韓国・台湾・タイ・インドネシア・フィリピン・インドで金融政策決定会合が開催される。特にインドは、7-9月期の実質GDP成長率が減速したことから政府が利下げを要望する予定であるほか、足元のインフレ率が16年1月の目標値を下回っていることもあり、3日の決定会合で利下げに踏み切る可能性が浮上している。
(2014年12月01日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ
![](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/28_ext_01_0.jpg?v=1469525328)
03-3512-1780
経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/07/16 | インド消費者物価(24年6月)~6月のCPI上昇率は食品価格が高騰して4ヵ月ぶりの5%台に上昇 | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
2024/07/02 | ベトナム経済:24年4-6月期の成長率は前年同期比6.93%増~輸出と観光業の回復により7四半期ぶりの高成長に | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
2024/06/21 | 東南アジア経済の見通し~輸出と製造業が持ち直し、緩やかな景気回復へ | 斉藤 誠 | Weekly エコノミスト・レター |
2024/06/13 | インド消費者物価(24年5月)~5月のCPI上昇率は5ヵ月連続で低下も、食品価格が依然高止まり | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年07月26日
職場における温度、匂い、音等は、どういう人がシンドイと思っているのか -
2024年07月26日
米GDP(24年4-6月期)-前期比年率+2.8%と前期から大幅上昇、市場予想の+2.0%も大幅に上回る -
2024年07月26日
お金の流れでみる日本経済 -
2024年07月25日
消えた580兆円~住宅投資をしても残高の増加は限定的~日本の住宅投資はなぜ「資産化」しないのか~ -
2024年07月24日
中国経済の現状と注目点-好調は持続せず、不動産不況と貿易摩擦で弱り目に祟り目の中国経済
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
【【アジア新興経済レビュー】ASEAN4・インドの景気に減速感】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
【アジア新興経済レビュー】ASEAN4・インドの景気に減速感のレポート Topへ