- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 欧州経済見通し-問われる雇用の危機への対応力
2013年08月07日
- ユーロ圏のマイナス成長は今年4~6月期まで続く見通しだ。7~9月期には下げ止まりが期待されるが、参加国の多くが財政健全化に取り組む一方、金融緩和策の効果が債務危機国には及ばないため、回復のペースは緩慢に留まる見通しである。
- 2013年はマイナスのゲタも影響し、年間の成長率はマイナス0.6%と落ち込む。2014年は1%成長への緩やかな回復が期待される。銀行システムの強化、雇用対策の遅れは、不況をさらに長引かせるリスクとなる。
- ユーロ圏全体の経常収支は黒字転化、債務国でも対外不均衡はほぼ解消している。金融安全網が強化されたことで、ユーロ圏が世界的な金融混乱の引き金となるリスクは大きく後退しているが、外部環境の悪化に対して脆弱である。
- イギリスでは、個人消費の緩やかな拡大の半面、投資減少は続き、輸出も伸び悩んでいる。今後の回復も緩慢なペースに留まる見通しだ。ポンド安、インフレへの警戒も必要なため、カーニー新総裁誕生後のBOEがさらに異次元の緩和に踏み込む可能性は低い。
(2013年08月07日「基礎研マンスリー」)
このレポートの関連カテゴリ
関連レポート
![](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/43_ext_01_0.jpeg?v=1531973337)
03-3512-1832
経歴
- ・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職
・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員
伊藤 さゆりのレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/07/11 | EUの対中国デリスキングの行方-2024年欧州議会選挙を越えて | 伊藤 さゆり | ニッセイ基礎研所報 |
2024/07/10 | 英仏下院選を終えて-財政リスクを警戒すべきはどちらか? | 伊藤 さゆり | 研究員の眼 |
2024/07/01 | 英労働党政権誕生で変わること、変わらないこと | 伊藤 さゆり | 研究員の眼 |
2024/06/19 | グローバル・エリートの盲点-ブレグジットを思い起こさせるフランスの政治情勢- | 伊藤 さゆり | 研究員の眼 |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年07月26日
職場における温度、匂い、音等は、どういう人がシンドイと思っているのか -
2024年07月26日
米GDP(24年4-6月期)-前期比年率+2.8%と前期から大幅上昇、市場予想の+2.0%も大幅に上回る -
2024年07月26日
お金の流れでみる日本経済 -
2024年07月25日
消えた580兆円~住宅投資をしても残高の増加は限定的~日本の住宅投資はなぜ「資産化」しないのか~ -
2024年07月24日
中国経済の現状と注目点-好調は持続せず、不動産不況と貿易摩擦で弱り目に祟り目の中国経済
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
【欧州経済見通し-問われる雇用の危機への対応力】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
欧州経済見通し-問われる雇用の危機への対応力のレポート Topへ