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2012年11月16日
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- ユーロ圏危機国の情勢は依然として厳しいが、危機対策に、成長と雇用の支援、政府と銀行の信用力の相互作用を断ち切る方法が検討され始めたこと、ECBがOMT導入を決めたことが、危機が制御不能な状態に陥るとの観測の沈静化に効果を発揮している。
- しかし、危機国の経済が落ち込み、債務問題が悪化する循環は未だ止まったわけではない。ドイツなど健全国の経済も、域外の需要鈍化の影響もあり、勢いを失っている。
- OMT導入を含むECBの非標準的政策は、銀行の資金繰りの安定に貢献したが、経済の先行き不透明感から資金需要は伸びず、銀行も貸出への慎重姿勢を崩せない。
- 危機国の景気後退の深まりに起因する悪循環に歯止めを掛けるには、危機国の継続的な改革努力はもちろんのこと、「成長戦略」の着実な実行、金融安全網の柔軟活用や成長戦略を通じて、危機国の構造転換を後押しすること、統合深化への協議を深めて、域内の銀行市場の分断や格差解消への期待を醸成することも欠かせない。
(2012年11月16日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職
・ 2015~2024年度 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017~2024年度 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022~2024年度 Discuss Japan編集委員
・ 2022年5月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員
・ 2024年10月~ 雑誌『外交』編集委員
・ 2025年5月~ 経団連総合政策研究所特任研究主幹
伊藤 さゆりのレポート
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