- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア経済 >
- マレーシア10-12月期GDP:前年同期比+5.2%~底堅いが、「本格的」な内需活性化には至らず
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・現状:底堅い成長を維持
・経済成長の下振れ要因は依然として存在
■introduction
マレーシア統計庁(DOSM)は2月15日に2011年10-12月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率は前年同期比(原系列)で5.2%の増加となり、7-9月期の前年同期比+5.8%から伸びがやや鈍化した。その結果、2011年通年の成長率は5.1%の増加となり、2010年の高成長(7.2%)から減速した。
成長率の内訳を需要項目別に見ると(図表1)、純輸出は鈍化したものの、内需が堅調であったため全体の成長率は底堅く推移したことが分かる。内需の中ではとりわけ政府消費が成長を後押ししており、10-12月期の政府消費は前年同期比で+23.6%を記録し、成長への寄与では4.1%ポイントを占めた。7-9月期の政府消費も高い伸びだったが(前年同期比+21.7%)、今期は前期を上回る伸びとなった。投資については前年同期比+8.5%で7-9月期(同+6.1%)からやや加速、個人消費は前年同期比+7.1%で、7-9月期並みの伸び(同+7.3%)が継続している。
一方、10-12月期の純輸出は成長への寄与で見ると▲1.8%ポイントとなった。10-12月期の輸出は前年同期比+4.9%であり7-9月期(同+4.2%)から加速したものの、輸入の伸びが輸出の伸びよりも大きかったため 、純輸出の成長への寄与はマイナスとなった。ただし、純輸出が鈍化した主因が輸入の拡大だったことは、マレーシアの内需の強さを表していると評価できる。
また、供給側(図表2)を見ると、主要産業のサービス業(GDPシェア59%)と製造業(GDPシェア27%)がいずれも7-9月期に引き続いて好調であり、成長を支えていることが分かる。
(2012年02月21日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
高山 武士のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/17 | 欧州経済見通し-緩慢な回復、取り巻く不確実性は大きい | 高山 武士 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/03/14 | ロシアの物価状況(25年2月)-前年比で上昇が続き10%超に | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/10 | ブラジルGDP(2025年10-12月期)-内需・外需ともに冴えず前期比0.2% | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/07 | ECB政策理事会-利下げ決定、一方で今後の一時停止にも含み | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年03月19日
日銀短観(3月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは2ポイント低下の12と予想、トランプ関税の影響度に注目 -
2025年03月19日
孤独・孤立対策の推進で必要な手立ては?-自治体は既存の資源や仕組みの活用を、多様な場づくりに向けて民間の役割も重要に -
2025年03月19日
マンションと大規模修繕(6)-中古マンション購入時には修繕・管理情報の確認・理解が大切に -
2025年03月19日
貿易統計25年2月-関税引き上げ前の駆け込みもあり、貿易収支(季節調整値)が黒字に -
2025年03月19日
米住宅着工・許可件数(25年2月)-着工件数(前月比)は悪天候から回復し、前月から大幅増加、市場予想も上回る
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【マレーシア10-12月期GDP:前年同期比+5.2%~底堅いが、「本格的」な内需活性化には至らず】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
マレーシア10-12月期GDP:前年同期比+5.2%~底堅いが、「本格的」な内需活性化には至らずのレポート Topへ