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- 貿易赤字は問題か?
1.悪化する貿易収支
輸出の急減によって鉱工業生産は第一次石油危機当時を上回る大幅な落ち込みとなって、国内景気にも大きな打撃を与えている。
2.貿易赤字を出せるのは日本など少数の国だけ
原油価格高騰が起こる直前の世界の貿易収支構造は、単純化してしまえば、「米国一国だけが大幅な赤字で、その他の国々はみな黒字」という状態だった。米国の大幅な貿易赤字はサブプライムローン問題の背景となっており、バブルの崩壊によって米国の貿易赤字の縮小が起こっている。ゼロサムの制約から、米国以外の国々の黒字は縮小せざるを得ない。
直接、間接に米国への輸出によって高成長を謳歌していた多くの発展途上国は、輸出の急減に見舞われ、国内経済にも大きな打撃を受けている。さらに欧米諸国の金融危機による国際金融取引の収縮から、資本の流出が起こり貿易収支の黒字拡大で資金を稼ぎ出す必要性に迫られている国も少なくない。
米国の貿易赤字の縮小をカバーできる国は、海外に大量の資産を持ち国際的な信用力がある日本などわずかな国に限られる。日本の貿易収支の黒字縮小は必然であり、赤字化することは世界経済のバランスにとってはむしろ望ましいことなのだ。
3.日本の貿易収支は赤字が普通の姿に
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客員研究員
櫨(はじ) 浩一 (はじ こういち)
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(2009年04月20日「エコノミストの眼」)
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